おまえは再び土曜日を取り返す

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本コラムは団員の中野がきまぐれに金曜日にお送りするコラムです。
内容はすべて個人の見解であり、著者が所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
なお、吹奏楽団のブログではありますが、話題がノンジャンルである点についてはご容赦ください。


THE LIVE 2021 「We are the B.A.N.D.」

  • 日程: 2021年10月9日(土)
  • 開場: 13:30
  • 開演: 14:00
  • 会場: 伊丹アイフォニックホール(〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前1-3-30)
  • 入場無料(予約制

新着情報

特に更新は無いです。本番に向けて着々と準備を進めています。


コラムのコーナー

みんなが考えるところで一致していたのは、過去の生活の便利さは一挙に回復されはしないであろうし、破壊するのは再建するよりも容易であるということであった。

アルベール・カミュ『ペスト』
承前。記念すべき、おれの初投稿。3年前の演奏会宣伝であった。

土曜日が奪われた

よくきたな。先日の日曜日、いつものように、子ども科学電話相談を聞きながら家の掃除をしていた。シンクのゴミ受けを掃除しながら聞く、ブラックホールを壊す方法について。子ども科学電話相談といえば、回答者の先生方がリモートでの参加となって、しばらくが経つ。そして、今年の8月は夏休み期間にも関わらず、放送が休みがちになっていた(オリンピックと高校野球が重なったので)が、9月に入って本格的に再開された。いよいよ日常を取り返しつつあるな、と思った次第だ。

日常、ルーチンワーク、習慣、あるいはパターン化。最低限度の生活を送るうえで非常に重要だ。なぜなら、ベイブ、Civilization VI、睡眠、その他様々な誘惑に対して、人は簡単に堕落し、生活は崩壊し、服が脱ぎ散らかされ家具に埃がうっすら積もった部屋の中でただただ惰眠をむさぼることになる。

ただでさえ、週末というのは、人間はこうした誘惑に負けがち、そして飛びつきがちである。以前ならそれでもよかった。淡々と続く灰色の日々への赤い一撃、あるいはけだるい日常へのとびきりの刺激。しかし、コロナが流行ったので、クソみたいな週末を送らざるをえなくなった。

日曜日は、まぁいい。掃除炊事洗濯をまとめてやって、昼寝をして、コーラとか飲みながら本を読んだり映画を見たりしていたらそれなりにエナジーが回復し、翌週からまた頑張ろうとリセットできるからだ。大目にみれる。

問題は土曜日だ。かつて週休一日制だったブリテンでは、日曜日にクソほど酒を飲むせいで月曜日が仕事にならんという問題に対して、土曜半ドンあるいは週休二日制という画期的ソリューションを開発し、土曜の夜にしこたま酒を飲むことにした。しかし、今はどうだ。どこもかしこも20時には店じまい、しかも酒すら飲めねぇ。どこか出かけるのもご法度、他府県ナンバーで出かけるともれなくタイヤに釘を刺され、フロントのエンブレムは折られ、ボディには10円玉で傷を付けられる。けっかとして、閉じこもりがちになり…… なんか全体的にぼんやりとした土曜日を過ごしがちである。

おまえは土曜に何をしているのか?

ところでおまえはかつて、金曜日の夜、上司に付き合って場末のフィリピンパブで限りなく薄い水割りを飲んだり、そそり立つ仕事の山をやっつけたり、あるいは家族団らんをしていたことだろう。そして寝て、5日間のウィークデイを乗り切って疲れ果てたおまえは昼前まで寝てしまっていたことだろう。かつてはそうであった。かつてはそれでよかった。

起き抜けに触ったスマホでYoutubeをザッピングしたりTwitterのログを見て、気付けば腹が減り、暗くなった外を見て「せっかくの土曜日に一体何をしていたんだ……」「責任者はどこだ……」とぼやくこともあっただろう。いずれにせよ、そのようにしていつしか歳をとり…… 酒とベイブに溺れ… あのときああしていればと後悔しながら孫などに囲まれながらあっけなく死ぬ……

だからおまえはまず土曜日を取り返すことをしなければいけない。せっかくの土曜日はYuTubeのザッピングとか流れるタイムラインを眺めるとか、そういった極まった受け身ではなく、ある程度は能動的になんかしていくべきだ。

何も面白いものが無い、それよりも寝ていたい、とおまえは言うかもしれない。気持ちはわかる。だから我々がいる。

土曜日を取り返しにライブに来い
それが無理なら配信を視聴しろ

最近はAmazonプライムとかiTunesとかSpotifyなどがあり、満員電車の中でもスマホでお手軽に音楽が聴けるようになった。一方で、駅前でギター一本で歌っている若者がいても、疲れ果てたおまえは愛する家族のいる家路を急ぐことだろう。

そんなおまえが最後にコンサートとかライブとかギグとかに行ったのはいつだ?オーケストラのフォルテシモを肌で感じたのは?ロックスターの歌声に感情を揺さぶられたのは?スピーカーの前で踊り狂ったのは?

たしかに、カラヤンの第九とかホワイト・アルバムとかはたしかに良い。だが録音ではなかなか得難いものもある。景色、香り、雰囲気、臨場感、一体感、熱気、チル、REAL… そういうものがライブにはある。

来週土曜日、2021年10月9日(土)に我々のライブが伊丹で開かれる。伊丹アイフォニックホールにて。13:30開場、14:00開演、16:00終焉予定。

巷では第5波が収束に向かいつつあるものの、未だにコロナは流行り、予断を許さない状況である。油断をしているとメキシコでは生きていけない。ダニートレホに刺されたり、サボテンに刺さったりして死ぬ。「ワクチン受けたから何も怖くないぜ!」とかゆってるやつから、まず死ぬ。パニック映画でよく見るやつだ。

やはり音楽、とくにクラシックや吹奏楽は、現場で生音で聴くのが一番からだに良い。だからできれば来場して聴いてほしい。われわれとしても、ちゃんと感染対策とかしないといけないので、今年は予約制だ。こちらから予約できるので、来れるやつは今すぐ予約だ。

とはいえ、中には、めちゃくちゃ油断を欠かさないやつや、めちゃくちゃ遠いやつ、めちゃくちゃ忙しいやつもいるだろう。そういうやつへのフォローを、われわれは欠かさない。今年はYouTubeでの配信も予定している。URLはまた準備できたら案内するから、なんかしながらでいいので聴いてほしい。

いずれにせよ、おまえがまずやることは、とりあえず来週土曜日の午後の予定を空けておくことだ。

われわれはおまえが聴いてくれるのを待っている。そんな今日この頃である。


今週のリコメンド

北村英治

ジャズクラリネット奏者。御年92歳。未だ現役の、生きる伝説。料理・絵画・彫金など多趣味。リガチャーは自作というガチ勢。この爺さん、強い。



余談1: 前回のコラムのタイトルが合宿に参加しなかった旨の話であったので、てっきり俺は出演しないものだと勘違いされていた。こんな端まで読む人は相当物好きであり、やはり出演はしていく、ということをしっかり言っていかなければならぬと思った。

余談2: すっかり涼しくなった。駅前のいちょう並木は銀杏の香り。気が付けば10月である。さすがに肌掛け布団一枚では苦しくなってきた。

余談3: 久しぶりに逆噴射文体を使ってみたが、やはりパワがすごい。

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