雑談

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本コラムは団員の中野がきまぐれに金曜日にお送りするコラムです。
内容はすべて個人の見解であり、著者が所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
なお、吹奏楽団のブログではありますが、話題がノンジャンルである点についてはご容赦ください。


THE LIVE 2022「うまいもん市」


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コラムのコーナー

雑談とはたき火のようなものである。

多湖輝 (心理学者、1926~)

先日、弊団の第13紀の活動第一回となる練習があった。その週末は、実家方面でのイベントの予定があったので、帰省したついでに練習に参加した次第である。練習の詳細については、また誰かが書いてくれるだろう。

枕が変われば寝つきが悪くなる、というのは実家においても同様である。また、往々にして他人の気配もする。そういうわけで、どうにも目覚めが早くなる。とはいえ、早起きすれども、練習開始の時間が早まるわけでもなく、かといって実家でやれることなどそれほど多くもなく、というか、何かしようとすると「いいから置いといて」と言われる始末である。何がいいんだ。いいわけがない。早起きは三文の得というが、現在の貨幣換算で三文は50円~100円だそうだ。ひょっとして寝ていた方が良いのでは?

やることもないので、早めに家を出て、寄り道がてらドライブを楽しみつつ練習場所に向かうことを決めた朝7時。本コラムでもしばしば触れているが、ダムは良いぞ。ダムという構造物そのものの面白さや、地政学・社会学的価値もあり、山と川という立地から、ドライブやツーリングの目的地としても最高。そのようにして、京都の誇る一大ダム、宇治市にある天ケ瀬ダムに寄ったわけだ。

天ケ瀬ダム…… 往々にして滋賀県の人間のモットーは「琵琶湖の水止めるぞ」であるが、実際のところ、この天ケ瀬ダムが淀川水系唯一のダムであり、関係する地方自治体の生命線を抑えているのは京都である。淀川水系にお世話になっている人は、その点、重々承知しておかれたい。

写真を撮りながら天端(ダムの上の通路だ)を歩いていると、下流に、レンガ造りの趣ある大きな建物が見えた。天ケ瀬ダムが京都随一の自殺の名所ともなっている関係か、散策道の入り口と天端中央にプレハブがあり、監視員がいる。この監視員のお爺さん(69)にあの建物は何か、と尋ねれば、大正時代に建てられた水力発電所(志津川発電所跡)とのこと。

普段、割と孤独に仕事をしているであろうお爺さん、話し相手が欲しいようで、ダムの管理費用のことに始まり、お爺さんの前職のこと、旅行会社の組織形態のこと、近鉄グループのこと、カナダの輸入住宅メーカーのセルコホームが良いこと(というか家自慢)、住宅ローンのこと、相続のこと、嫁姑問題のこと(曰く、仲の良い嫁姑など存在しえない)、と本当に他愛もない話もしていたら、気が付けば1時間ほど経っていた。練習には遅刻した。すまん。

会話あるいは他愛もない雑談。しかして、甘く見るなかれ。会話というのは、(時には頭髪すら失った)人類にできる毛づくろいだ。そのあたりの効用は、読書猿先生のこの記事とか、この記事(非モテへの処方箋でもある)が詳しい。雑談によって人の世は保たれ、皆はそこそこゴキゲンに。勝ちまくりモテまくり。雑談こそが幸せへの第一歩である。

思えば、煙草と酒はこういった雑談の場を提供してくれる。大衆居酒屋やスナック、ましてやキャバクラに行ったところで、美味い酒が出てくるか、と言われれば大いに疑問の余地がある。しかして足繁く通う理由は、その場のもたらす雑談こそにある。喫煙所で会社の重要事項が決定される、というのも、煙草を吸ってる知り合いがいたら、雑談から始まり仕事の話をするが故である。

とはいえ、新型コロナウイルスのあれやこれやで、テレワークとかが流行り、控えめな会話の推奨、ソーシャルディスタンスの確保などが御触れとして出されて以降、めっきり会話することが減った。そもそも普段でも会話をする機会がなかなか無いところでコロナ流行、3日間誰とも会話してないとかザラ、というラ・グラント・シャルトルーズの修道士見習いみたいな生活になっている。DVD欲しい。

最近は新型コロナウイルスの感染者も各地方自治体で新規感染者ゼロなどが達成されつつあり、ようやく落ち着いてきた。とはいえ、これから更に冷え込みが深まり、空気も乾燥してくる。冬、来たる。油断してると背中から刺されるので気を付けよう。気を付けつつ、俺はお前の話が聞きたい、俺の話を聞いてほしい、くだらない話をしたい、と、そんなことを思う今日この頃である。


今週のリコメンド

Kitri

キトリ。大橋トリオプロデュースの姉妹ユニット。以下、公式プロフィールより。

姉のMonaと妹のHinaによるピアノ連弾ボーカルユニット。 クラシックをベースに持ちながら実験的な音楽を創造し独自の存在感を放つアーティストとして、 2019年1月、日本コロムビア BETTER DAYS レーベルより 1st EP「Primo」でメジャーデビュー。同月、初のワンマンツアー「キトリの音楽会♯1」を開催。 7月には 2nd EP「Secondo」を発表し「キトリの音楽会♯2」の全国ツアーを開催。 2020年1月1st アルバム「Kitrist」を発表。ツアーは延期となったが、その間「Lily」、「人間プログラム」、「赤い月」と、起伏に富んだ楽曲の 3 作連続配信やライブで観客を魅了している。カヴァー曲のアルバム 「Re:cover」を制作、また「Kitriのきとりごとらじお」(FM大阪)のレギュラー DJを7月から務め常に精力的に世の中へ発信し続けた。二度の延期を経たツアー「キトリの音楽会 #3 “木鳥と羊毛”」を2021年1~2 月に満を持して開催。 2月に先行シングル「未知階段」で、新たな表現の扉を開け、4月に2ndアルバム「Kitrist II」をリリース。 同月、α-STATION でのレギュラー番組「Kitristime」(キトリスタイム)もスタート。 6月には、Kitri初となる、Billboard Live 横浜と大阪でのライブを予定しており、「Kitri & The Bremenz Live」と題し、神谷洵平(Dr.)、千葉広樹 (B.)、副田整歩 (Sax.) を迎えての初のバンド編成で実施予定。(Profile – Kitri (kitriofficial.com)



余談1: バグパイプが欲しい。いわゆるバグパイプとして一番有名であろう、グレート・ハイランド・パイプスか、(弊団アイリッシュ成分が高めなので)イリアン・パイプスが欲しいが、練習のこととか考えると、入門用として「どこでもパイプス」ってのが妥当かと思われる。しかし、楽器としては高くはないものの、非生活必需品としての出費としては高すぎる。頼むー!宝くじー!当たってくれー!

余談2: 練習翌日は京都散策をして17500歩くらい歩いてかなり運動になった。また、いよいよfit boxingを再開した。主に体幹の筋肉痛がヤバく、ゴリゴリ効いている感じがする。65.6kg(±0.0kg)。なぜだ。

余談3: 紫煙のお時間、今日はシーシャ用品について、偉大なるmochpitのマスターに色々聞いた覚書。ボウルはシリコンのファンネル、ボトル・ステムはロシアのハニーサイが良いんじゃないか、とのこと。チルの追及に余念が無い。

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