関係性のメンテナンス(年末年始編)

吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。
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本コラムは個人の見解であり、所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
吹奏楽団のブログですが、吹奏楽の話はあったりなかったりします。

ニュース

大事なおしらせ

以前より告知させていただいているとおり,2020年10月10日(土)に予定されていたThe Live 2020は延期となりました。詳細につきましては、お知らせのページならびにYouTubeの動画をご覧ください。

YouTube

The Rec vol.2の動画が続々と投稿されています。
今回はGMと指揮者のお気に入りをお届け。

コラムのコーナー

正直とか親切とか友情とか、そんな普通の道徳を堅固に守る人こそ、真の偉大な人間というべきである。

アナトール・フランス
(フランスの詩人、小説家)

先日、フカヒレ小籠包を食べた。

高専時代の吹奏楽部の先輩がライブに参戦するために近くに寄るとのことなので、COVID-19が大流行の兆しを見せている昨今ではあるけれども、仲の良い数人で中華料理屋でランチとしゃれこんだわけである(感染対策はしっかりしつつ)。

よだれ鶏やら小籠包やら餡かけごはんやら杏仁豆腐やら、気付けばすごいことになっちゃった料理に舌鼓を打ちつつ、たわいもない話を繰り広げた。最近子どもが生まれた、おれは結婚できそうにない、会社を辞めて学生をしている、実家暮らしサイコー、あいつは今何をしている、あれは何年前の話だ?エトセトラエトセトラ。

思えば四捨五入すれば20年もの付き合いになる。学生として被っていた期間は1~2年程度なのに、こんなに長い付き合いになるとは思わなかった。昔と比べれば多少体形やら生え際やら顔つきに変化はあったかもしれないが(多少?)、その人間的な本質は大して変わりなく、学生時代から相も変わらず仲の良い付き合いをさせてもらえるのは本当にありがたい話だ。

特に面白かったのは、そこにいない 共通の知人(主に先輩方だが) の近況を知れることだ。皆さん色々なかたちで元気に過ごされているようで何よりである。集まったのはほんの少しだけれども、そこにつながる人のネットワークの情報を更新することができる。また別の誰かに会った時に、伝聞の形で近況を広めていくことができる。

インターネットの発達でコンタクトは取りやすくなったはずなのに、付き合う人間の数は昔とそう変わらない。一説によると、人ひとりが健康的な形で保持できる関係性のネットワークというものには上限があるらしい。しかし上限があるとはいえ、誰もが常に上限いっぱいでコミューンを運営しているわけではない。

関係性は油断しているとすぐに廃れる。ありていに言えば疎遠、というやつだ。気が付いたときには久しく会わず、そのうち連絡を取るのもおっくうになり、しまいにはその人のことをすっかり忘れてしまう。そうして行きつくとこまで行ってしまえば、天涯孤独、そして畳のシミである。

生物多様性の重要性が唱えられはじめて久しいが、関係の多様性も同様に大切なのでは、と感じる。人間はえてして、付き合うのが楽な友人や頻繁に出会う人々と交流しがちだが、下手すると似たような人ばかりとコミュニケーションを取ることとなってしまう。その結果、行動が硬直し… 思想が硬直し… あさま山荘に立てこもることにもなりかねない。行動にも思想にも、色々な刺激があった方がいい。

ところで、クリスマスソングが街に流れ始めた。いささか気が早すぎないとは思わないか? この間、後輩から「クリスマスは何か予定あるんですか?」とか聞かれたけど、「普段どおり過ごすよ」としか答えようがないだろう。平日だぞ。そんなにみんなクリスマスがお好きなのか? とはいえ、激動の2020年もそろそろ終盤だ。

年末年始と言えば年賀状だ。最近はLINEやメールでの年賀の挨拶も多いけれども、紙の年賀状の手書きのメッセージがとても好きだ。おれだけに向けられた近況報告やメッセージ。その人の声。この現代、なんとか生き残っているお手紙のやりとりは年賀状くらいではないか? 白ヤギさんが飢えて死んでしまうぞ。

今年はCOVID-19の影響もあり、なかなか人に会うのが難しい一年であったことは間違いなさそうだ。そういう一年だったからこそ、普段はデジタルに済ませてしまう人も、今年くらいは年賀状に手書きのメッセージを添えて送るのも、なかなか乙なんじゃないか、と思う。こういう時だからこそ、関係性のメンテナンスをしっかりやらないといけないんじゃないか?そうだろう?あいにく、おれは喪中だが。

年賀状はともかく、文通武者修行の相手ならいつでも募集しているので、もし気が向いたら連絡してくれ。久しぶりに地元の友人と「最近どうしてる?」とか語り合いたいなぁと思う今日この頃である。

今週のリコメンド

冨田ラボ

音楽家・音楽プロデューサーであり、ポップマエストロこと冨田恵一のソロプロジェクト。

プロデューサーとしての手腕がすごい。プロフィールに書いてあるのをざっと並べるだけでも:キリンジ、MISIA、平井堅、中島美嘉、ももいろクローバーZ、矢野顕子、RIP SLYME、椎名林檎、木村カエラ、bird、JUJU、坂本真綾、夢みるアドレセンス、Uru、藤原さくら、Negicco、鈴木雅之、VIXX、スガシカオ、新しい地図、Naz、kiki vivi lily、高野寛…

楽曲はどれも上質で、でもポップで、ぐうの音も出ない。オールタイムベストを量産する敏腕である。

森見登美彦『恋文の技術』

お手紙の話が出たから、これもリコメンドしとこ。ただ一人の腐れ大学生が書いた手紙だけで綴られる、妙ちくりんで笑える小説だ。


余談1: メガネの話。普段使いの2本はどちらも細く丸みのあるフレームなので、太くてシュッとしたセルフレームが欲しいなぁと思いながらメガネ屋に行った。担当してくれた店員さんのチョイスが素晴らしく、手持ちのメガネの調整もお願いしたらバッチリフィットし、視力検査の際も事細かに説明してくれた。プロの業を見た。プロの業は良い。来週、受け取りに行くのが楽しみである。

余談2: GPUと電源を新調するため、ひさしぶりに秋葉原に訪れた。一時から減ったとはいえ相変わらず萌え萌え空間があり、テンプレート的なオタクが群れていた。なぜ群れる。そして、出るとこ出ればかなり良い暮らしができそうな、かわいいお姉ちゃんがそこらじゅうで客引きをしていた。なんだか久しぶりに「現実が辛すぎる、殺してくれ」という気分になった。聞くところによれば、今の秋葉原は暗黒非合法風俗の爆心地になっているらしい。

余談3: 三連休初日、ダムカード収集も兼ねて丹沢湖と山中湖へ行ってきた。神奈川県道147号・山梨県道730号のルート、ものすごくワインディングが楽しく、景色も美しかったので超おすすめです。キャブ車には酸素が薄くてちょっとだけつらいけれど。山中湖の駐車場において、一発でエンジンがかからなかったのには肝を冷やした。


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