お前たち、もう寝なさい

このコラムは毎週金曜日、中野がその場しのぎの文章をお送りする企画です。
Supported by インプリメーレ。

心労のもつれた細糸をほぐしてくれる眠り、
(中略)この世の饗宴における最高の滋養。

ウィリアム・シェークスピア

先日、翌朝までになんとかしなければならない緊急の案件があり、徹夜をする羽目になった。計画性や能力の欠落でその状況に追い込まれたのではない。「困っている人がいたら助けなさい」という教えに突き動かされ、泥沼から人を救うべく戦っていたのだ。もはやそこにあるのは優しさのみ。バファリンも俺の優しさには勝てないだろう。

とにかく、一睡もせず、なんとか形になったのは朝の7時。どうにかこうにか一段落はついたものの、もはや限界であった。やはり、人である限り、寝なければならない。もしあなたがロボットであるとかなら話は別かもしれないが、それでもメンテナンスは必要になるだろう。今日は睡眠の話だ。

睡眠時間を確保しろ

夜遅くまで残業をしたり、部活をしたり、宿題をしたり、勉強をしたり、遊んだりすると、睡眠時間が足りなくなる。そうすると、次の日が辛い。頭はすっきりしないし、インスピレーションも湧かないし、挙句の果てに居眠りをして上司とか先生に怒られたりする。誰しも経験があることだと思う。

世間、睡眠時間が足りていないのではないか、と思う。なんかで日本人の平均睡眠時間が6時間強というのを見た。一方で、みんな7時間くらいは寝たいと思っている、ということが書いてあった。

睡眠時間は6時間では足りない、らしい。疲れが抜け切らないとか、パフォーマンスが落ちるとか、身体・精神共にの病気のリスクが増加するとか。人間の体は7~8時間くらいの睡眠が必要であることがわかる。そりゃもちろん「短時間でも十分だし、みんな怠惰なのでは?」という人がいるけれども、そういう人はもともと頑丈にできているか、あまりにも睡眠不足に慣れすぎて感覚がマヒしてしまっているか、単なる思い込みか、ただの強がりかのどれかである。頑丈な人はあくまでごく一部であり、あなたはそうではない可能性が高いということを知るべきだ。

よくよく考えてみたらそりゃそうであって、ヒトの進化のタイムスケールとかと比較すれば、電気とか照明とか発明されたのはここ最近の話であり、それまでは暗くなったら寝ていたわけだ。いろいろな環境に適応できるのがヒトの強さの秘訣ではあるけれども、そもそもどうしようもないこともある。

人によってばらつきはあるかもしれないけれど、せめて7~8時間は睡眠を摂るべきなのだ。「全然寝てないから辛いわーwww」とかいうのは、「俺は計画性も問題解決能力も自己管理能力もない無能であり死ぬべき存在なのだ」と言っているのにも等しい。

24時までには寝ろ

夜には誘惑が多い。例えば部活や残業をして遅くに家に帰ってきてから、ほっこりしたのち、家事だの、子供の面倒だの、ゲームだの、ドラマだのを消化しようと思うと、ずるずると寝る時間が遅くなる。

でも、翌日は仕事や学校があるので、朝には起きないといけない。おしりが決まっているので、寝る時間が遅くなると睡眠時間が削られる(ここで睡眠時間を優先してしまうと、仕事や学業が破綻することは俺が保証する)。

このことから、明らかなのは、どうしたって早く寝るべきであるということ。朝起きる時間次第なところもあるけれども、早ければ22時~23時には寝ていたいところであるし、遅くとも24時までには寝ろ。

我々はもっと睡眠を愛するべき

人間の三大欲求と言えば食欲・性欲・睡眠欲である。

街に出てみればレストランやパティスリーが多く立ち並び、ハットグだのタピオカミルクティーだのが流行り、テレビを見ればグルメ情報が流れている。宇宙人が地球に来たら「こいつら食うことばっかり考えているな」と思うかもしれない。

また、一年中恋愛賛歌の風が吹き荒れ、バレンタインデーだのクリスマスだの、恋せよ愛せよ、と世間は訴えかけてくる。コンビニ雑誌の裏には風俗情報などがあふれかえっている。繁華街に行けば無料案内所とかも立ち並んでいる。ウェブを開けば、エロコンテンツがそこかしこに出てくる(人による)。コーティングされているかどうかはともかく、性欲も間接的に楽しまれている。

それに比べて、睡眠欲のなんと需要の低いことよ。もっと愛されてもいいはずだ。健康番組とかで睡眠が大事なんですよ、と言われることもあるけれども、あくまでそれは健康のためであり、コンテンツとして昇華されていない。寝ている時間が一番幸せであり、何なら旨いメシより良い睡眠が欲しい今日この頃である。我々はもっと睡眠を楽しむべきなのだ。惰眠を貪れ。

中野(Hr. / 眠れる森の美女)

RECOMMEND 01_Brian Eno

風の音や、鳥のさえずりといった周りを取り囲むもの(アンビエント)と同じように、あくまでBGMとして人の会話等を邪魔しない程度の静かに流れる音楽として発明されたのが、アンビエント・ミュージックである。このアンビエント・ミュージックの先駆者、あるいは始祖なのが、イギリス人ブライアン・イーノだ。

彼の名をしらなくても、彼が作ったWindows95の起動音なら聞いたことがある人も多かろう。眠るのにもぴったりである。

Ambient 1: Music for Airports より1/1
実際にラガーディア空港のBGMとして採用されている。
彼の作品で最も有名であろう、Windows95の起動音。
彼の作品ではないが、Windows95の起動音を40倍に引き伸ばしたもの。
こうなってくるとノイズとかになってきて良い。


余談1:とはいえ、エロはえらい。世界を救う。インターネットの発展やコンピュータの普及にエロサイトが寄与した部分はおそらく多い。

余談2:寝起きの肩こりが激しく、おそらく枕があっていないのだろうなぁ、と思う。とはいうものの、枕を変えようと、いざ専門店に行くと結構な値段がするのでいつも躊躇してしまう。

余談3:バレンタインデーのチョコレート、絶賛募集中です。

シェア: