新生活の住まい探しハウツー

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ルイス・キャロル

先日、通っている大学の学部卒業式・大学院修了式があった。マメな奴は最後の挨拶がてら、お菓子を差し入れてくれたりして、ちょっと感激してしまった。

この時期は就職や異動で多くの人が決定的に動く。大学へ入学するために親元を離れて初めての一人暮らしを始める人もいよう。就職を機にアパートを引き払って実家へ戻る人もいれば、実家を離れて社員寮に入る人もいよう。もちろん、転勤で住まいを移す人も、だ。

とにかくこの時期は不動産屋も大忙し。仮に4月1日付での異動に対して、このタイミングでまだ住まいが決まっていない、ということは無いはず(というか、もしそうであるなら確定的にヤバい)。ので、新生活を始める人には時すでにお寿司って感じだが、今後、引っ越しをする予定の人に向けて、俺なりのすまいさがしのハウツーを伝授しようと思う。過去15年間で10回の転居をしてきてブラッシュアップされてきた、それだ。

以下の物件比較シートが、役に立つだろう。Excelで作ってある。もしOfficeの持ち合わせがないなら、適当にgoogle Driveなどに突っ込んでスプレッドシートとして読み込むとかするとよいのでは? 俺が、一昨年に引っ越した際の物件比較サンプルも入れておいた。

1. 必要な住環境を定義しろ

まずは、必要な住環境を定義する必要がある。あまりにも当然すぎて、馬鹿馬鹿しい要素もちゃんと考えろ。部屋の広さはどれくらい必要なのか? 通勤時間はどこまで許容できるのか? ユニットバスは許容できるのか? もちろん家賃も、だ。

次に、選択にあたって、必ず満たしてなければならない条件をMUST目標として分類しろ。いわゆる制約条件だ。たとえば、家賃○○円以下とか。俺の場合であれば、インターネットとバイクは死活問題であるので、インターネットに接続可能であるかどうか、とバイクが置けるかどうか、それから、特にこだわる項目をこの目標に付け加えた。

あとは、できれば満たしておいたほうが望ましい目標をWANT目標として分類し、重要さに応じてウェイトをつけておこう。最大化や最小化したいような条件をここにいれるとよい。たとえば、通勤時間であるとか、家賃であるとか、初期費用であるとか、だ。

そしたら、大体のエリアとか、部屋のレイアウトとかが絞れてくる。次に、物件探しだ。

2. とにかく内見しろ

今はインターネットとかいう超便利な道具があるので、暫定的に目標が定まった段階で、候補をどんどん立てることができる。調べてMUST目標を満たしていない物件は即排除、満たしているならとりあえずブックマークとかしておくといい。

ある程度の候補が上がってきたら、その土地に強い不動産屋が見えてくるはずだ。それはインデペンデントな昔ながらの不動産屋の場合もあれば、全国ネットの大手チェーンの不動産屋の場合もある。個人的には、インデペンデント系不動産屋がおすすめ。大家さんと不動産屋の距離がより近く、割と融通が利くことが多い、気がする。

が、大事なのは不動産屋ではなく部屋である。とにかくいろいろな不動産屋に電話ないしメールで「内見したいんですが」と伝えよう。ネットで見た物件を伝えつつ、「これこれこういう条件で他にも良いのを」というのも忘れずに。

とにかく、新築でもない賃貸物件に住む以上は、内見はMUSTだ。最近はインターネットでポチッと契約を進められたりするけれども、絶対に、絶対に、内見はしたほうがいい。もしまだ住人が住んでいて見ることができない場合は、同じ建物の空いている部屋が見られないか、あるいは同じ施工主で同じような部屋を見ることができないか、打診してみよう。もしそれも無理なら… その部屋は縁がなかったということだ。

内見の際には、1. で定義した条件をしっかり確認するとともに、部屋の細かいところを見るといい。フローリングの状態だとか、風呂やトイレの設備であるとか、カーテンレールであるとか。写真も撮っておくといい。スマホとか持ってんでしょ?(俺のスマホのカメラは壊れている)

また、周辺環境もよく見たほうがよい。幹線道路沿いは、トラックやヤンキー、パトカーや消防車で夜が結構うるさかったりする。住宅街でも、やけに暗いとか、近くの牧場の臭いがキツイ、などあったりする。そのあたり、雰囲気をつかんでおくことが大事だ。もし可能なら、犯罪発生マップやハザードマップをあらかじめ出力して持っておいてもよいだろう。

そうして、たくさん内見をして、比較対象を増やすことが大切だ。とはいえ、時間は有限であるので、ほどほどに。不動産屋を3~4件くらい巡ればちょうどいい塩梅になると思う。そしたら、次に比較だ。

3. 冷静に比較しろ

人間は曖昧な生き物であり、その時の天気で評価が変わったりする。しかし、生活の拠点となる場の選択の意思決定を、フワッとした感覚で決めてしまうのはどうなの、という話だ。そこで、登場するのがケプナー・トリゴーの決定分析(読書猿さんの問題解決大全に載ってる)であり、それを反映した上記の物件比較シートだ。

ケプナー・トリゴーの決定分析は、多属性効用理論で提案された意思決定規則のうち、属性値による排除ルールと効用加算ルールを組み合わせたものである。複数の選択肢があるとき、選択肢を複数の条件で比べて、順序付けられるので、よい。物件選びの際は、順序付けた後に1位の物を選べばよい。

部屋そのものが「サイコー!」って感じで勢い契約しそうになっても、例えば通勤時間クソかかるやんけ…!みたいなことが起きうるので、そのあたりの意思決定をスコアとして出すのは、一旦冷静になれるので、良い。

そして、定量的評価であるため、交渉ができる。

4. できれば、交渉しろ

物件は新築でなければ交渉の余地がある。少しいやらしいようだが、内見の際に気になる部分をチェックしておいて、交渉材料にできる。また、先方も商売であるので、早く契約を勝ち取りたいという気持ちがある。空き部屋は何の価値も生み出さないので、早めに入居してほしい、という大家さんの気持ちもある。そういうあたりで、家賃交渉もできる。

たとえば俺の今の物件の場合、内見時にフローリングの剥がれと汚れ、エアコンの室外機がやたら古いこと、トイレにウォシュレットが付いていないこと、が気になった。そのあたりを指摘しつつ、交渉することでウォシュレットを勝ち取った。

また、このシートを使った友人の田子之浦君は、一旦持ち帰ってシートを埋め、トップスリーの物件の不動産屋に駆け込み、それぞれに対して「今、こういうスコアなんですけど、家賃下がったらトップになるんですよねー、そしたら契約するんだけどなー」と吹っ掛け、最終的に大幅に家賃を下げた、とのことだ。こいつからの仕事は受けたくねぇな、と思った。

5. よりよい新生活を送れ

あとは、引っ越しの段取りとか、インフラの解約とかをして、いざ新居へ。新居に移っても、免許証の書き換えやら、銀行口座やクレジットカードの住所変更やら、色々あると思うけど、些細なことだ。パパっとやって、終わり。こういうのは勢いが肝心なんですよ。よりよい新生活を送るだけだ。

そんなこんなでいつもと毛色の違う記事であったけれども、参考になれば幸いである。ともあれ、多くの人々の新天地での幸せを願う今日この頃である。

今週のリコメンド

この部屋に住む人へ(キリンジ)

毎年、年度末は絶対にこれって決まってるんだ。



余談1: シン・エヴァンゲリオン劇場版を観た。カタルシスがすごい。初めてエヴァに触れたのは四捨五入すればもう20年も前の話か。TV版を観て「なんじゃこりゃ…」となり、旧劇場版を観て「なんじゃこりゃぁ!」となり、ぼちぼち追いかけつつ新劇場版の三作品を観て「なんじゃこりゃ?」となり。そういった諸々の疑問と、積もり積もった膨大な時間にたいして、見事にケリを付けていて、カタルシスがすごい。たいそう満たされた気分になりましたよ。

余談2: 孤独を感じたから、それについて書こうと思ったけど、あまりにも外が春めいているものだから、やめにした。

余談3: 初回練習の帰りに、京都府和束町にお茶を買いに行った。宇治茶の生産全国第一位の町だ(それってもう宇治茶じゃなくて和束茶なのでは…?)。 帰り道、宇治木屋線(犬内峠)を通ったのだけれど、離合困難なスリリングな道で楽しかったです。たまにはそういうドライブもね!

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