晴読雨読

毎週金曜日、中野がその場しのぎの文章をお送りするコラム。
Supported by 吹奏楽団インプリメーレ。

吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。詳しくは文末の団員募集のバナーからアクセスください。個人的には、ファゴット・クラリネット・サックス・トランペット・ホルンあたりを急募です。特にホルン。

今週のアップデート情報

『ゆる演』中止

良いニュースと悪いニュースがある。まずは悪いニュースから。

昨今の新型コロナウイルス感染拡大ならびにその予防への取り組みのため、4月下旬に企画されていた『関西一“ユルい”演奏会』が中止に。詳細は下記、団長からのメッセージをご覧ください。

「ゆる演」で収録して配信する予定だった諸々の楽曲は、状況が落ち着いたら集まって収録して配信するのではないでしょうか。えらい人たちの懸念はスケジュールが立てられないことと、YouTubeへ投稿するネタが尽きそう、ということらしいです。

お酒ソングコレクション ~酔奏楽の為の~

良いニュース? ネタが尽きそうとはいえ、YouTubeへの動画投稿が変わらず続いているってことだ。

ということで一本目は先週に引き続き、2019ライブのリハーサルから。お客様の来場時に「あなたが今、聞きたい雰囲気の曲は?」というお題目で投票してもらい、用意した4曲の中から投票数が最も多かった1曲だけお送りする『雰囲気リクエスト』のコーナー。ライブ当日はIn a gentle rainをお送りしましたが、「おバカ系」リクエストが最多だったらこれが流れていた。危ないところだったな…

Hoodoos at Sunrise

Lucky Chopsのカバー、連続シリーズの第四弾。

指揮者のつぶやき

昨今の騒ぎを受けて、指揮者がつぶやいています。


書物そのものは、君に幸福をもたらすわけではない。
ただ書物は、君が君自身の中へ帰るのを助けてくれる。

ヘルマン・ヘッセ(ドイツの小説家、詩人)

ところで先日から、各所より不要不急の外出を控えるようにお達しが出ている。俺には普段から引きこもりの気があるので、今のところ生活に大きな影響は出ていないが、オフの日には外へ出かけるのが基本になっているような方々にとってはストレスフルな毎日なんだろうな、と思う。

いよいよ世界全体がスーパー耐久レースみたいになってきているが、せっかくいい機会なので、本とか読んでいろいろと学んだり感じたりしてはどうだろうかと思う。そういうことで、今回は本を何冊かピックアップして紹介したいと思う。以前紹介したのもあるかもしれませんがご容赦ください。

夏の庭 The Friend(湯本香樹実)

小学6年の夏、『ぼく』と山下、河辺の3人は、人が死ぬ瞬間を見てみたいという好奇心から、町外れに住むおじいさんを見張ることにする。一方、観察されていると気づいたおじいさんは、憤慨しつつもやがて少年たちの来訪を楽しみに待つようになる。ぎこちなく触れあいながら、少年達の悩みとおじいさんの寂しさは解けあい、忘れられないひと夏の友情が生まれる。

何回読んでもボロ泣きする。

ライ麦畑で捕まえて(J. D. サリンジャー)

社会や大人の欺瞞に中指を立てていくホールデン少年とNYを舞台にした世界的ベストセラーの青春小説。終盤、先生による説教も今読むとすごく良い。そして、セントラルパークの描写が美しい。

村上春樹による訳もあるが、やはり野崎訳の方がいい。そんなに「やれやれ」って言われても。

中高生にぜひ読んでほしいし、かつて中二病だった(あるいは今も中二病な)あなたに読んでほしい一冊だ。これ、中学生のころに読んでたら人生変わってたかもなぁ。

グミ・チョコレート・パイン(大槻ケンヂ)

悶々と生きるボンクラ高校生たちの恋とか… 青春とか… ロックとか… 映画とか を描いたオーケンの名著。溢れる性欲とコンプレックス。『グミ編』『チョコ編』『パイン編』の三冊に分かれているぞ。

俺はこれをハイティーンの間に読みたかったよ… そうしたらもう少しは人生変わっていたかもし、そうでないかもしれない。もし俺に高校生くらいの親戚がいたら買って与えるくらい、良い本だ。

太陽の塔(森見登美彦)

悶々と生きる腐れ大学生の恋とか… 青春とか… を描いた森見登美彦の処女作。溢れる性欲とコンプレックス。

20歳前後のころ、師匠からこの本をもらった。ひどく感銘を受け、人生が変わった、ような気がする。それが良かったかどうかは神のみぞ知る。

森見さんの作品だと、アニメ化された『四畳半神話大系』、映画化された『夜は短し恋せよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』が有名であるけれども、『きつねのはなし』『夜行』といったホラーも実はすごい良い。

FINE DAYS(本多孝好)

癖はないのに捻りの効いた、ミステリアスで酸っぱい恋の話を書かせたらこの人の右に出る人はいないんじゃないだろうか。

そんな本多さんの中編『FINE DAYS』『イエスタデイズ』『眠りのための暖かな場所』『シェード』 の4編収録。ミステリアスな中編あり、胸が締め付けられるような恋あり。サクッと読めてちょうどいい。

大聖堂(レイモンド・カーヴァー)

人生ってのは色々あり、懸命に生きようとしていてもどんどん逸れていってしまうものだ。アルコール依存症や、夫婦の諍い、事件や事故、借金など… そのようなリアルな状況で、なんとか日々を生き延びていく人々の話だ。

表題作の『大聖堂』もいいんだけど、『ささやかだけど、役に立つこと』が本当に、本当に素晴らしい。最高だ。『カンタベリー・コラール』を聴いた時の印象に近い。

銃・病原菌・鉄(ジャレド・ダイヤモンド)

なぜ、世界の現代社会はこんな感じなのか? 欧米諸国が科学技術や文化が繁栄する一方で、オセアニアの島々ではいまだに小規模部族社会が残っていたりするのはなぜなのか?なぜスペインの少人数の部隊はアメリカの文明を破壊することができたのか?

地理、生物、言語と様々な側面から人類史の面白さを味わうことのできる名著。

本を読む本(M. J. アドラー、C. V. ドーレン)

大人は都合の良いことばかり言いやがる… 「本を読め」とかいう人、あんまり本とか読んでねぇし… そもそも読書術とか習ったことねぇよ… という貴方。

良い本とは何なのか? いわゆる『小説などではない本』を読むときに、どのようにすればよりよくその内容を把握することができるのか? ということについて書かれている名著だ。


とまぁ、そんなところです。まだまだおすすめの本はあるけれど、全部紹介していたらキリがないので、気が向いたらまたやるかも。それでは、ストレッチとかリングフィットアドベンチャーとかして体も動かしつつ、本を読んだり映画を観たりしましょう。

中野(Hr. / 学生)



余談1:一応、金曜日16:30を目安に投稿しているけれども、間に合わなかった。でも、金曜日であればオッケーだから。オッケーオッケー。

余談2:舞い散る桜を見て、「今感じているこの風情」以上の演奏とかできないよなぁ、桜すげぇなぁ、と思った次第です。ライバルは桜。

余談3:今年は京都ビアラボの店の前、高瀬川の花筏を見ながらビールは無理そうだなぁ。残念でたまらない。

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