201号のお話

年の瀬、いかがお過ごしでしょうか。迎です。

2020年ももう終わってしまいますね。
おそらく今年は最後になるであろう僕の投稿は、実現できなかったライブである201号の話です。

201号ってなんだったんだ?

当たり前ですが、チラシがヒントです。

灯台が照らす、なんかすごくおしゃれな感じのアパートで1軒だけ光が灯っている部屋。
これが、今回テーマになっている201号室です。
僕は、実家を出た後はずっと賃貸に住んでます(一時期社宅でしたが、まぁこれも一種の賃貸でしょ)。
なんだか、いつも思うんですが…「この部屋に前は誰かが住んでいて、この先自分以外の誰かが住むんだよな」って。
同じ部屋でも、住む人によって全く違う出来事が起こるんです。
それを一つのストーリーとして、一話(曲)完結型の舞台を演出してみたかった。

…というのが、今回のライブのアイデアでした。
なので、当初はMC無しを考えていたんです。その代わり、1曲1曲短い物語が朗読されてそれをもとに進行していく。
本編が終わって、アンコールで舞台に戻ってきたときにやっと僕はしゃべれる、みたいな。
そんなちょっと緊張感漂うライブになる、予定でした。

もっと言えば、どこかライブハウスでも借りてTHE RECの特別編としてお客さんを呼んだ収録会もやる予定だったんです。
それが、「ゆる演」です。場所はライブハウスではなく演劇小屋をおさえてましたが。
ここで、「動」のインプリ、その代わりいつものライブでは「静」のインプリ。
そんな感じで、充実した一年になる確信しかなかったんですが、コロナの影響で方針大転換。
ゆる演が中止になり、これじゃ「静」にするのはだめだねってことでいつものスタイルでライブするか!となったもののご存知の通りコロナが終息するはずもなくライブも事実上中止です。

話は戻って、201号の物語の話。
このお話、最終的にどういう結末を迎えるかというと、このアパートが立っている場所がオリンピックのための再開発予定地となり取り壊されることが決定します。
よくよく、物語の主人公を考えてみると…あ、201号の部屋自身がこれまでその部屋に住んできた住人たちを見てきて感じたことを日記風に書いてたのか!ってお客さんが気付く。
そういう目論見でした。その物語、見たかったねぇ……ま、またいつか。

色んなことが中止になって変わったこと

皆さん、同じだと思うんですけどね。
世の中が目まぐるしく、変わっていきましたよね。

  • テレワーク中心のお仕事(そうできない職種ももちろんありますが…)
  • オンライン飲み会
  • おうちエンタメの充実

中でもおうちエンタメの充実はすごいですよね。
これまで、なかなか会場まで足を運べなかったようなライブをオンラインで、おうちにいながらリアルタイムに見れるんですよ。
しかも、アーカイブ配信が基本だからリアルタイムで見て、その次の瞬間からしばらく何度も何度も見返せるんです。
すごい時代だね。

僕らの音楽生活は?

音楽の世界も変わったよね。

  • リモート合奏
  • オンラインライブ配信

オンラインライブ配信は、あくまで自分たちにもできる手段としてという意味です。
実際、我々も10月にやりましたが一般人が簡単にそんなことができちゃう世の中ですよ。
そこでコメントもリアルタイムにもらって、コミュニケーションまで取れちゃうというのが恐ろしい。

リモート合奏も、確かにすごいとは思うんだけど、結局これって単なる多重録音なんですよね。
別に最先端でもなんでもなく、達郎さんとかもうずーーーーっとやり続けてらっしゃいますよ。
「一人で○○やってみた」系の動画もニコニコ動画を中心に10年以上前からあるコンテンツです。
それを「最先端だ!」みたいな顔してやってる人たちが多いこと多いこと。
市民権を得たんだろうな。このスタイルが。
僕らもやりましたけど、別にやりたい気持ちは今に始まったわけではなくてずっとやりたかったんだけど、そこについてこれる人がいなかったってだけです。
なんだか、もどかしい感じもしますが、それ以上にやっと世の中に浸透したことで普通にこれができるようになったことは幸せなことです。

色んな変化から、感じたこと

こうやって、たかだかウイルスだけのために、世界が変化をした。
自分たちの身体よりもはるかに、はるかに小さなウイルスのために。
最大限の皮肉をこめて書きましたが、ほんとそれだけのためにものすごい変化がありました。

世の中は絶えず変わっていきますし、その流れに乗れなくなってしまえば、もう多分二度と戻ってくることができません。
ただそのスピードが今年は早すぎた。強制ギブス的な感じで世の中全体がその波に乗せられたような気がします。

実際、流れに乗ってみて、色んなこと経験してみた今改めて思うこと。

「やっぱ、人と会う方がいいや」

ということです。
久しぶりに、メンバーと合奏をしたとき。
収録会をみんなとしたとき。
一緒に演奏できる方がよっぽど楽しいことがわかりました。
お客さんの前で演奏できる方が何よりモチベーションが上がることを痛感しました。

今は、ご時世的に、「どう人と接さないで暮らすか」が重視されていますが本来そんなこと考える必要は無いんです。
やっぱり、ライブは会場に行ってこそだし、合奏も、リモートじゃなくてリアルでみんなでやりたい。

そんなことを考えながら、2021年のインプリメーレの活動テーマを決定しました。
その内容は、また年明けに動画が公開されると思いますのでお楽しみに。

それでは、皆さんどうぞお身体には十分お気をつけください。
今年も1年間大変お世話になりました。そして変わらぬ応援、いつもありがとうございます。

良いお年をお迎えください。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

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