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本コラムは団員の中野がきまぐれに金曜日にお送りするコラムです。
内容はすべて個人の見解であり、著者が所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
なお、吹奏楽団のブログではありますが、話題がノンジャンルである点についてはご容赦ください。
THE LIVE 2022「うまいもん市」
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先日、出張があった。いくつかの出張をまとめたものだから、最終的に、三泊四日くらいでキャリーケースを転がしながら日本各地を転々とすることとなった。こちら側としても、受入いただく側としても、宿泊ありの出張が認められるようになりつつあり、新型コロナウイルスの流行が収束しつつあるのを感じる。海外からの渡航者の外出規制制限も三日間に短縮されたそうだ。街へ出ても、前より人が増えた。街の人出のことなら、タクシーの運転手さんに尋ねるのが一番良く、京都で尋ねて曰く、「流行前の7割くらい」までは戻ったそうだ。しかし、油断してはならんぞ。
さて、三泊四日の出張というのは絶妙に荷造りが難しい。これが四泊五日以上の出張なら、旅先のホテル併設のコインランドリーで洗濯する方針でいこう、となる。二泊三日以下なら、洗濯は帰ってからやろう、となる。金が無いのでランドリーサービスには縁がない。
昨年、着ない服や擦り切れつつある服を一斉処分したこともあり、スーツに合わせるカッターシャツ(あるいはワイシャツ)が一枚しかない状態であった。近頃は大半が日帰り出張なり、一日限りの法事なりだったので、それで何とかなったりしていたのだが……。そういうわけで、シャツを買いに行ったわけだ。ついでに靴下も。
買い物をするときは、基本的に「これこれこういうものが欲しい」と決めてから買い物をするようにしている。今回で言えば、『鉄板のシャツ3枚(ただし綿100%)』(どうもポリエステルが入っている奴は触り心地が気に食わないことが多い。綿100はアイロンがけが面倒だが)。買うものを決めて動かないと、無駄に目移りしてしまい、甘い言葉に弱い俺は結局買うことになりがちである。そうすると、家がモノであふれることとなるし、なによりお財布がヤバい…… 破産…… 河川敷…… ダンボールの迷宮…… そして死。
特にこだわりがあるわけではないが、「この店(or ブランド)なら大外れすることはなかろう」という店を持つようにしている。スーツならONLY。なにより技術があり、雰囲気も良い。セールをしないところが好感持てる。それから、本社が京都なので、最終的に俺のところにも多少は還元されるかもしれんというフワッとした地元贔屓。楽器ならYAMAHAとか。ビジネスバッグならTUMIとか。文房具ならPARKERとか。そんな感じ。そういう、個々人が思う「鉄板」っていうのはあると思う。もっと突っ込んだこだわりがあるものに対しては、必要な時に(そしてそれは何となく訪れる)お気に入りを探せばよかろう。
そこまで決めたらお店に行くだけで、サクッと買える。お店に着いて、店員さんに声をかけて、例えば今回だと「鉄板のシャツ3枚欲しい」といえばいい。当然のことだが、我々は各々が持つ専門分野や担当以外においては素人であり、お店の人はプロである。素人が吊るされた商品を見て良し悪しを判断できるほど、(少なくとも俺は)判断力を持ち得ていない。その点プロであれば、その商品で稼いでいる以上、常々、それについて考え、素人が思いもつかないところまで心配りをして、フィルタリングをしたうえで候補を色々と挙げてくれる。その時点で、お買い物は”勝ち”だ。後は、候補の中から(試着などもしつつ)ファイナルアンサーを出して買えばいい。どうしてもチョイスに困ったら、「仮に俺が彼氏(ここは当然ANYだ。彼氏なり、親友でもよい)だったとして、どっちを着て欲しい?」と訊けばよい。同伴者がいるなら、同伴者に訊くのもよい。購買者とプロによる、フィルタリングのPING PONG。ユーザーとリテールの甘い関係。素晴らしいお買い物。滞在時間20分。
ただし、モノにはタイミングというものがあり、適切なサービスを受けるためには、適切な場所へ、適切な時間に行く必要がある。手不足でいっぱいいっぱいのプロに尋ねたところで、待たされるし、接客中の別のお客さんへのサービスは100%にはなりにくいし、自分自身の番が回ってきてもいっぱいいっぱいなサービスを受ける羽目になる。いつでも最高のサービスを、と言っていても、やはりお互い人間であるのでな……。 また、こちらが急いでいるときにも、判断が甘くなりがちだ。そういうわけで、お互い余裕のある時に行くのがよかろう。適切なタイミングには、繁忙期・閑散期という長期的なレンジの物もあれば、1日の中で変わるものもある。靴などは夕方以降に買いに行くのがよい。人間、起きている時間の経過とともに足がむくむので、朝一番でピッタリのサイズを買うと、夕方に地獄を見る。バイク屋は冬が良い。閑散期なので点検などをしっかりしてもらえる。気がする。
欲しいものを決めて、適切なお店で、余裕のあるサービスを受けながら、共に判断して、一番気に入ったものを買う。できればサクッと。というのが、個人的に最高のお買い物である。が、どうにも買い物そのものが趣味の場合はそうではないらしい。俺は買った”もの”が好きなことはあれど、あんまり買い物というものが得意ではない。しかし、最近、お買い物好きの人の気持ちもわかりつつある。
話は変わるが、The Elder of Scroll V: Skyrimという名作ゲームがある。オープンワールドで、ダンジョンとか攻略する。ひたすらメインクエストを進めてドラゴンをやっつけても良し、膨大なサイドクエストをこなすもよし、なんならロールプレイに傾注するのも非常に楽しい、最高のゲームの一つだ。祝10年。最近、またMODモリモリで始めたが、時間泥棒っぷりが半端ない。最高に面白い。Skyrimをやりながら、次の有名な図を思い出した。
ショッピングモールでパンツを買う動線と、Skyrimで洞窟を探索する動線の、男女の違い。なるほど。俺も男であるので、ショッピングモールではお目当ての店に一直線だし、ダンジョンではくまなく探索してしまう性質だ。隠されたところにある宝箱、あるいは奥の方の十把一絡げに吊るされている中に隠れた掘り出し物の服。ここに描かれている女性あるいは男性も、好奇心を持って色々と探すのだろう。好奇心こそ人の原動力である。チャレンジが無ければ達成感は無い。決め打ちで買い物をするのもなかなかスマートで良いと思うが、あたかも洞窟を探索するように、色々と覗いてみるのも発見があって面白い。
色々なものがあり、しっかりしており、接客も素晴らしい、という点で言えば、百貨店というのは非常に良い場所である。色々なブランドが入っているのもあるが、それ以上に、特有のブランドコーナーではなく、百貨店が持つ色々なものを寄せ集めたセレクトショップ的コーナーが好きだ。文字通り、いろいろなブランドの『百貨』がある。あそこの店員さんはガチであり、フワッとした要望でも最高のものをアレンジしてくれる。百貨店は良いぞ。
逆に、クルマの正規ディーラーというのはどうなのだろうか。そのブランドのその車種のことについては非常に詳しいが、別のブランドのクルマについて隅々まで承知しているのだろうか。競合ど真ん中の車種くらいは把握しているだろうが、勧められるのは当然のことながら自社の商品だ……。自分の求める所を探す、という意味では、多種多様な車が存在する中古車ディーラーの方が適切なのかもしれない。
そういう、色々回らないと選べないもの全般の中から、プロのフィルタをかけてこれがいいのでは、とリコメンドしてくれるコンシェルジュ的なサービスとかあれば儲かるんじゃない?
最終的に、ホワイトとサックスブルーのブロードシャツと、ブルーのストライプのシャツを買った。予定通り、新しく買ったシャツをネイビーのスーツに合わせた。出張中、電車の窓に映る自分のスーツ姿を見て、なかなかサマになっているな、ひょっとしたら半径50mで、一番スーツを着こなせているかもしれない、と大層満足した。店員さんには感謝している。そんなことより問題は鞄。13.3インチのラップトップが入る革のメッセンジャーバッグが欲しい。あと寒くなってきたのでキャメルのトレンチコートと、グレーのウールのロングコート。そんなことを思う今日この頃である。
今週のリコメンド
Anomalie
アノマリー。カナダはモントリオール出身のキーボーディスト、トラックメイカー。エレクトロニカを主体に、ファンク、ジャズ、ファンクのエッセンスが入った、新進気鋭のアーティストだ。2019年には来日してライブもしていたそうな。
なんかこう、曲の良いところが終わった後に「ウェーィ…」、あるいは「ウォー…」ってなる良さがある。そういうヌルッとしたアガるわけではないが、感嘆してしまう良さが、ある。総合的な完成度が高い。そういうのが好きなの?と尋ねられれば、こういうのが好きなんだよ、と胸を張って言える。
余談1: ずっと行きたいと思っていたメキシカンレストランに行けた。タコスが美味い。タコス、最高に美味いフィンガーフードなので、みんなも食べろ。そして真の男になれ。流行れ。
余談2: ダイエット近況。出張時の飲み会や懇親会などがあり、基本的にヤバかった。66.4kg。(+1.0kg、先週比+0.8kg)肉…なんだろう付いてきてる確実に、着実に、腹のほうに。
余談3: 紫煙のお時間。おうちシーシャ。ハニーサイのボトル、Urban Sを買った。シュッとしててかっこいい。