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先日、文献探索セミナーを受講した。文献調査の方法なぞは前から知ってはいたものの、後輩に受講させる手前、自分も聞いていないわけにはいかないだろう。ともあれ、良い復習になった。セミナーの内容の一部に、Mendeleyというリファレンスマネージャーサービスの紹介があった。
研究して論文を書いてというループにより、世界をより洗練させていく…… というのが現代の科学技術のミソなわけだが、その中で文献というのは言わば基礎にあたる。象牙の塔だろうが何だろうが、今、我々の足元にあるのは綿々と伸び続けてきた塔の頂点である。歴史、と言ってもいい。その上で安寧の中で淡々と生き延びるだけならまだしも、更に建築を進めていこうとするのであれば、その基礎を知っていなければならない。どうぶつタワーバトルみたいなもんだな。そういうわけで、文献管理というのは非常に重要なわけだが、このMendeley、かなり便利で良い。まず、「あの文献が見当たらねぇ!どこいった!」と悲嘆にくれることが減ったし、それにエクスポート機能が優秀なので参考文献を書く時の「クソめんどくせぇ!」ってのが減った。おかげで論文執筆が捗る。
何より、このMendeleyが良いところは、サービスメンテナンス中の画像が、触れる空飛ぶスパゲティ・モンスター(以下FSM)であることだ(この記事のヘッダーに設定した)。
FSM教を知っているか。あるとき、アメリカで、進化論を認めないキリスト右派が、「進化論もパーフェクトではない。『なんらかのデザイナー』が世界をデザインした可能性もあるだろう? 平等のため、科学として学校で教えるべきだ」という、いわゆるインテリジェントデザイン(ID)論を提案した。そこでボビー・ヘンダーソンはこの点を皮肉ってFSM教を立ち上げ、「いいぞ、ID論もっとやれ!平等のため、スパゲッティ・モンスターが人類を作ったという説も学校教育で教えるべきだ」と主張した。
FSM教がそういう皮肉から生まれたパロディ宗教であることは知っていて、かねてから「面白いなぁ!」と思っていたが、とはいえ、詳しく知っているわけではない。せっかく触れる機会があったのだから、(タイトルにある)経典でも読んでみるか、となった次第である。
結論から言えば、かなり皮肉とユーモアが効いていて面白かった。ただ、面白いだけではなく、読めば読むほど、「なるほど、これはなかなか良いこと言ってる」、という部分もある。ざっくりまとめてみよう。
- 大事なこと
- あらゆるドグマは拒絶する。
- 創造主であるFSMが実は存在しないという明確な科学的証拠さえ提示されるのであれば、FSMが実際には存在せずFSM教の教えが誤っているという事さえ否定しない。
- 「善なるもの全てを支持し、善ならざるもの全てに反対」する。
- あらゆるドグマは拒絶する。
- 信仰について
- 祈るとき、「ラーメン」と言う。
- ヌードルはFSMの触手を象徴する聖なる食物である。
- FSM教団は自らの「宗教」をラスタファリアニズムならぬ、パスタファリアニズムとも呼ぶ。
- 返神保証制度:30日間お試しください、もしお気に召さなければ、必ず元の神様にお返しします。
- 他人に教義の語りはすれど、信仰を押し付けない。判断はその人に任せればいい。
- 世界の成り立ち
- 宇宙はFSMによって5000年前に創造された。
- これはFSMが大酒を飲んだ後の事であった。
- その後10年から100年の年月をかけて、自分が創造した宇宙が数十億年前に生まれたように見せかける細工を施した。
- 0.062831853秒で創造された地球にも同様の偽装がなされた。科学者は宇宙や地球の古さを示す研究成果をあげているが、それらはFSMが実在し、実際に創造の業を行ったことを証明している。
- 地中に恐竜の化石が埋まっているのもFSMの仕業である。
- 最初に創造したものは、山、木々、小人一人だった。
- すべての証拠が、進化はFSMのヌードル触手によって推進されたことを示している。
- 古代の人の身長が低いのはFSMの触手によって頭を押さえられていたからであり、現代人の背が高いのは人口増加によりFSMの触手の数が足りなくなったからである。
- 海賊は「選ばれし民」で「人類の祖先」であり、教義の中で重要な位置を占めている。
- 地球温暖化、大地震、ハリケーンや他の自然災害の増加は1800年代に始まる海賊の数の減少の直接的な結果である。
- 天国にはストリッパー工場とビール火山が約束されている。また、女性やゲイの信者のための男性ストリッパーも存在している。
- 地獄はビールの気が抜けていてストリッパーが性病持ちであるという事以外天国と同じである。
- 宇宙はFSMによって5000年前に創造された。
特に、FSMの語ったとされる、「8つの本当にやめてほしいこと」っていうのが、良い。十戒ではない。これは人間社会を生きていくうえで結構役に立つのでは?以下に示す。
- ヌードル神を語るときに聖人ぶった独善的な野郎のような振る舞いをしないでほしい
- ヌードル神の存在を抑圧、隷属、処罰、内臓の抜き取り、その他とにかく他人につらく当たる手段としないでほしい
- 人を外見や着ているものや話し方で判断しないでほしい。もちろん、性別で判断してもいけない。ファッションについての話は、ティール色とフクシア色の区別がつく女と、一部の男に任せなさい
- あなた自身や、自発的に同意したあなたのパートナーを傷つける行為にふけらないでほしい
- 他人の偏狭や女性嫌悪や人種的偏見に、空腹で異議を唱えないでほしい。まずは食べて、それからク×野郎どもを追求しなさい
- ヌードル神のために大金をかけて教会・寺院・モスク・神殿を建てないでほしい。お金を使うなら、以下3つのもっといい使い方をしなさい
- 貧困を無くす
- 病気を治療する
- 平和に生き、燃えるように愛し、電話料金を値下げする
- ヌードル神が自分に語りかけたと触れ回ることはやめてほしい
- 革製品とかローションとかをたくさん使うことにはまっていたら、他人にしてほしいことを、他人にやることはやめてほしい。ただし、その相手がそれにはまっていたら、(第4項に従って)大いにやり、写真にとりなさい。そして、必ずコンドームをつけなさい!まったく、たかがゴム1枚じゃないか。
この本の最後の方は、FSMが存在することについて、色々な観点から(相当無理のあるかなり強引な)証明を行っている。このあたりは読んでいて面白かった。1時間半くらいでサクッと読み終えられる厚さなので、もし近所の図書館とかにあったら手に取ってみてもいいと思う。
常々思っていることだが、おおよそ、テクノロジーと親切心とユーモアの3つの要素くらいしか、世界をマシにする方法はないのでは? 人は思いのほか愚かな生き物であるので、何か一つのことに囚われると、当然だが偏狭になりがちだ。かつてはうまく生きていく知恵であったはずの宗教も、時代を追うごとに強制的、かつ執着的になっていってしまう。ゆえに、こうやって、ユーモアとかを使ってどうにかこうにか、何事にもゆとりを作っていくことが大事なのでは? そんなことを思う今日この頃である。
今週のリコメンド
Nahre Sol
調べてみても日本語の情報が見当たらないシリーズ。Nahre Solはアメリカの女性ピアニストだ。クラシックをベースとしながら、沁みるピアノ演奏を送り届けてくれている。雨の夜、キャンドルでも灯してゆったり聴くのとか、超エモいんじゃないかな。せっかくだから、公式プロフィールを邦訳してみよう。
Nahre Solは、即興演奏、アヴァンギャルド、西洋の伝統的な形式やハーモニー、ジャズ、ミニマリズムなど、様々な要素を取り入れた音楽の演奏、作曲、指導をしています。クラシック教育を受けたピアニストでありながら、あくなき探求心の下、音楽理論、ハーモニー、練習、作曲に関する新しいアイデアをピックアップした、注目すべきYoutubeチャンネルを運営しています。クラシック音楽の偉大な作曲家のスタイルを紹介するビデオや、彼女が探求する様々なジャンルへを紹介するドキュメンタリーで有名になり、38万人以上の登録者がいます。
ジュリアード音楽院とトロント王立音楽院のグレン・グールド音楽院で学位を取得。ソリストおよび室内楽奏者として、ワシントンD.C.のケネディセンター、ロサンゼルスのウォルト・ディズニー・コンサートホール、マイアミのガスマン・シアターをはじめ、カナダ、フランス、オランダ、イタリア、ポーランド、ドイツなど、北米やヨーロッパのさまざまな場所で演奏してきました。2013年にはハリエット・ヘイル・ウーリー助成金を受け、パリでフランシス・プーランクとナディア・ブーランジェの弟子であるガブリエル・タッキーノとナルシス・ボネに師事しました。彼女の作曲した音楽は、ジュリアン・マーティン、ハン・チェン、ジェウォン・バング、ジェレミー・スミス、グリフィン・マクマホンなどのアーティストにより、ニューヨーク、ブエノスアイレス、パリ、トロントで初演されています。カーネギーメロン大学、ボストン大学、M.I.T.、シラキュース大学、コスタリカ大学などでの演奏、マスタークラス(公開レッスン)、講演を行っています。2019年から2020年にかけては、PBS Digital Studiosによる音楽チャンネル「Sound Field」の共同司会をドラマーのL.A.バックナーとともに務めました。 最近では、ソロピアノ、シンセサイザー、プリペアドピアノのための楽曲を含む、鍵盤楽器のオリジナル作品を集めたデビューアルバム「Alice in Wonderland」をリリースしました。また、2021年には、近日中に公表される予定のビデオゲームや映画のプロジェクトにも貢献しています。
Bio — Nahre Sol (訳:中野とDeepL先生)
余談1: カルディのポイントカードが変わった。これまでのスタンプカードから、しっかりとした作りのプリペイドカード方式に。レジの人がカード作りませんか、と提案していたが、大半の人は断っていた。俺?作ったよ。いまなら10%還元、1143円のお会計だったので1000円チャージして100円の還元+端数は現金支払い。ちょっとでも安くしようというケチ臭さが出た形だ。ポイント還元は6月30日までだってさ。
余談2: 6月になった。雨とか大丈夫ですか?もしもの時のために、ちゃんと非常持ち出し袋とか準備しておくといいですよ。俺は、雨に降られて顔が濡れて力が出ない。あと、濡れてひんやりしたズボンほど士気の下がることはないね。
余談3: すみっこでやるシャグレビュー。今回は定番のゴールデンバージニアだ。開封して葉を触った感じではかなりしっとりしている。パウチにいわゆるジップロック的なチャックが付いていて乾燥対策がなされているのが良い。もったりとした煙、独特の酸味、そして濃厚な甘味。まさに上質。だが、いかんせんローラーとの相性が悪く、なかなかうまく巻くのにコツがいる。特にシャグ初心者は入門としてローラーを使いがちであるので『いの一番』にこれ、というのはあまりお勧めできない。ある程度いろいろなものに手を出してから、いよいよ定番を決めていこう、という段階で手を出すのが良いんじゃないだろうか。