Maker Faireと音楽という趣味

吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。
詳しくは文末の団員募集のバナーからアクセスください。

なお、個人の見解であり、所属するいかなる組織の公式見解ではありません。

最近のアップデート

大事なおしらせ

以前より告知させていただいているとおり,2020年10月10日(土)に予定されていたThe Live 2020は延期となりました。詳細につきましては、下記の告知ページならびにYouTubeの動画をご覧ください。

代わりと言ってはなんですが、当日は14時頃よりYouTubeでの演奏のライブ配信を行います。ライブの様子は期間限定で公開、演奏のみ順次投稿予定です。詳しくは指揮者迎氏の投稿をご覧ください。

新着動画

指揮者迎氏のVlog、第2弾。
他団体との交流の良さ、今後の収録の展望などを語る。練習風景も。

新着記事

Ob.まえだちゃんによる練習報告。
ピザ食べた話と管楽器に溜まる水のお話。

コラムのコーナー

趣味とは、仕事に疲れた時の癒し、そして長い老後の最良の友。いわば人生のオアシスである。

酒井正敬 (経営研究者)

先日、師匠からのお誘いを受け、Maker Faire Tokyo 2020を見るためにビッグサイトへ行った。Maker Faireをご存じない方へ簡単に説明するとすれば、DIYや工作が好きな人の展示発表会だ。くわしくは公式ページなどをみるとよい。個人だけでなく、企業ブースや教育関係のブースも結構多かった。

以前からMake:界隈には興味は持っていたものの、これまで主に腰が重いなどの理由で行けなかった。折角お誘いも受けたのでこれ幸いと初めて見に行ったのだが、結論から言うとめちゃめちゃ面白かった。へんなものを作ったり、アートなものを作ったり、派手なものを作ったり、工作キットを作ったり、ロボットやロケットや加速器を作ったり、オリジナル電子楽器を作ったり、いろいろなひとがいろいろなものを作っていた。言ってしまえば、 大人版『夏休みの自由工作』だ。面白くないわけがない。

特に記憶に残ったのは、電脳漆繭玉。3Dプリンタで成形された小ぶりの樹脂の珠に漆と螺鈿で装飾している。しかも光る。中に入った電子基板とLEDが、ワイヤレス給電の台座の上で光る。いわゆる『ハード』も『ソフト』も、さらには伝統工芸まで取り入れてうまくミックスされており、すごい。マジですごかった。これ一人で?マジ?

ともあれ、どのブースの人々もみんな熱く楽しそうに語り、パフォーマンスを見せてくれたり体験させてくれたりしてくれるので、とてもよかった。こうやって色々な素敵なものを作ったりして共有して楽しめる、ということがひどくうらやましく思えて仕方がない。ふと振り返ってみて、「技術的素養としてはおれも申し分ないんじゃない?」と思うものの、「これでなんか作ってみよう」という情熱が足りねぇんだよなぁ。目の前にレゴブロックとかあったら無意識的に適当な形に組んでみたりして遊ぶけど、その程度なのだ。その程度の人間なんだよ。

そんな週末を過ごしたわけだが、今週の平日は10月10日の収録に向け、定時後に駅前のスタジオを借りて個人練習をする、ということを何回かやった。一回家に帰ってから楽器を回収してまた戻る、というのがひどく面倒に感じられたので、朝から楽器を持って出かけたのだが、それを見た後輩のウケが良かった。曰く、楽器ができる人はうらやましいそうだ。

なるほど、たしかにおれが工作好きな人をうらやむのと似たものなのかもしれない。自らが楽しむために必要不可欠でないものを能動的に何かを生み出す、という点では共通している気がする。そう考えると、凝った料理やお菓子作りも、良い趣味だと思える。ある種の贅沢だ。

これがいざ仕事となってしまうと、風向きが変わる。大工さんやエンジニア、シェフやパティシエは贅沢をしているとは思えない。それが生業になってしまうと贅沢ではなくなってしまうのだろう。プレッシャーがかかったり、あるいは生活をオールインせざるをえない状況になってしまいがち、ということはある。それが良い方向に働く人と、悪い方向に働く人がいるのは確かだ。あくまで趣味の領域、というのが意外と重要なことなのかもしれない。

そういうわけで、今日もおれはホルンを吹いて、ひとり、満足した。今日も趣味としてダラダラとやっている。ぬるま湯、それくらいの熱量がおれにはちょうどいい。

10月10日の収録には雨が降ろうが槍が降ろうが行くつもりにしているけれど、台風直撃高確率モードになってきている。おれの明日はどっちだ、と思う今日この頃です。

今週のリコメンド

LUCA

海外生活を経て、現在は京都を拠点に活動するシンガーソングライター。儚げで澄んだ声が本当に良い。haruka nakamuraが好きで、その関係で知ったのだけれど、彼とのユニットの arca のファーストアルバムが今月出るらしい。音楽だけでなく、翻訳やナレーションなどもやっているマルチな人だそうだ。

haruka nakamura とのコラボ。
There is a fox とのコラボ。
INAXのCMナレーション。

余談1: 別れ際に3Dプリンタ界隈の人である師匠が、「何か作ってみたいけどどうしたらいいか分からない、あるいは特に工作に興味の無い人に興味を持ってもらえるような、道しるべになるような、そんな仕事がしたい」ということを言っていた。帰りの電車で揺られながら、目の前に座っている可憐な女子高生が工作の楽しみに目覚めるにはどうすればいいのか考えてみた。それこそ「DIYできる人って便利になったり素敵になったりするからサイコー!必要なものは自分で作って当然だよね!」という雰囲気が世の中に形成されればワンチャンあるんじゃないかな?と思った。一人一台3Dプリンタの時代ですよ奥さん。

余談2: ビッグサイトのアマチュア系イベントと言えばコミックマーケットだが、未だかつて行ったことが無い。一回くらいは行ってみたいと思っているものの、思い始めてからかれこれ15年以上行けていないし、帰納的に今後も行くことはないんだろうな、と思った。

余談3: 今年も逆噴射小説大賞のシーズンがやってきた。みんなも気が向いたらちょっとやってみよう。


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