吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。詳しくは文末の団員募集のバナーからアクセスください。
この記事は、毎週金曜日、団員の中野がお送りするコラムです。 なお、このコラムは個人の見解であり、所属する組織の公式見解ではありません。
今週のアップデート
プリラジ!
インプリメーレの御三家が開催中止になった『関西一“ユルい”演奏会』を偲んで。演奏予定だった曲をメインにのんびりと語っており、カフェの通路を挟んだ隣の席で盛り上がっている兄ちゃんたち的な感じで良い。トークテーマも募集しているので、じゃんじゃん送って困らせてほしい。普通のおたよりでもいい。お願いしましたよ。
リモプリ!!
『Stay Home』、『うちで踊ろう Feat. エアロフォン』の二曲がアップロードされた。前者は作曲者の高橋宏樹さんのブログで公開されているので、みんなもやろう。リコーダーといい(バスリコーダーは持っていなかったのでキーボードだそうだ)、エアロフォンといい、各々のメインパートではないが、遊び感があって良いと思う。
ネットワークに揺られて
先日、2回目のインプリメーレのオンライン飲み会が開催されたので参加した。クイズ大会をしたり、インプリメーレのはじめての演奏会の映像を見ながら語る会をしたりした。生憎、後者は地震などがあり全国的にネットワークが不安定になって中断となったが…
不完全燃焼で終わったその後、歯磨きをしながらふと、思った。
「今日のやつ、もし俺の映像と俺の音声でもって俺っぽい適切な反応をコンピュータで模倣してたとしても、画面の向こうの団員のみんなは、それを俺だと思うのでは…? 」
「もし逆のことが起こっていて、誰かがめっちゃよくできたAIとかでやっていたとしても、それをそれとして俺が判別することはできないのでは?」
「誰かなりがモニター越しにいるっていうのは、あくまで俺がそう感じただけの結果では?」
「人なり物なり、実際にそれは『ある』ことを証明できるのか?」
「というか、『現実』って何?」
めちゃめちゃ上手いローラー使いみたいに、急に沼から現れて致命の一撃を加えて去っていく、いつもの面倒くさいやつだけど、今回は完全に不意を突かれた形であり、正直、地震が屁でもないほどに足元が揺らいだ。
いいかいボーイ…。「信じる者は救われる」ってのな、あれはマジだよ。
RECOMMENDS
20200508_0 『Morgenspaziergang』Kraftwerk
人類の宝、史上最高のコンピューターおじいちゃん集団、クラフトワークの共同設立者である偉大なるロボット、フローリアン・シュナイダーが亡くなられた。R.I.P.
20200508_1 『順列都市』 グレッグ・イーガン
記憶や人格などの情報をアップロードすることが可能となった2050年頃の未来を舞台としたSF小説。ソフトウェア化された意識でコピーになった富豪達は、コンピュータが止まらないかぎり死なない存在として世界を支配していたが、彼らに宇宙が終わろうとも永遠に存在しつづけられる方法があると提案する男が現われる…!どうなってしまうのか…!って話。
20200508_2 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
士郎正宗さん原作の漫画から連なる色々な作品がある攻殻機動隊シリーズ、生体的要素を取り除いっていったときに最後に残る「ゴースト」の話とかをしており、基本的に最高。漫画、劇場版アニメ(押井版)、TVアニメシリーズ(SAC)、新劇場版(ARISE)、ゲーム、実写版(スカヨハ出てたやつ)などバリエーションが色々あるし、困る。最近も攻殻機動隊SAC_2045がNetflixで公開されたのでまた増えた。困る。
カジュアルに入っていくなら、アニメシリーズの『STAND ALONE COMPLEX』が良いんじゃないかな、と思う。吹奏楽曲の鉄板のような安定感がある。みんな大好き刑事物でとっつきやすいし、一話完結もののエピソードも傑作ぞろいだし、「笑い男」の登場するシーズンを通じたエピソードも素晴らしい。思考戦車のタチコマ(フチコマ)というキャラクターがいて非常にかわいいのだけれど、タチコマ関連の話はどれも「自己とは何か?」という問題について一種の洞察を与えてくれる。そして泣く。第1話はバンダイチャンネルで無料&登録不要で見られるっぽいので取っ掛かりにどうぞ。個人的には第2話は全アニメの中でベストオブベストだし、第25話も甲乙つけがたい。第2期も併せてどうぞ。
オーセンティックにいくなら漫画版。時代の先取り感がすごいし、注釈の量もすごい。押井版の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』見てからの『イノセンス』も良い。
20200508_3 serial experiments lain (PS ver.)
20年ほど前にアニメ・ゲーム・雑誌のマルチメディアで発表されていた作品群から、プレイステーションで発売されていたゲームのご紹介。ゲーム内容としては、幻聴のためカウンセリングを受けに来た少女「玲音」(れいん)と、新米カウンセラー柊子さんによるカウンセリング記録とそのカルテ、それから二人の日記、あとは映像の羅列だ。我々ができることは一つ一つそれらのデータを開き、観測して全体像を把握するのみ。どこからでも読めるビジュアルノベル、YouTube的な感じ。ゲームなのか、これ?
はじめは穏やかだが、データを追うごとに全体的に狂気じみていく。そして、気づけばプレイヤー自身も巻き込まれている。感受性強い人は気を付けて欲しい。 特にCEROの指定はないけれど、過激な映像や表現が含まれておりますのでご注意ください。普通に寝込むくらいのパワーがある。
その内容がカルト的な人気を呼んだものの、再販は見込めず、ということで市場価格は高騰している。先日、中野ブロードウェイで見かけたときは4~5万くらいになってた。買えるか…! こんなもん…! プレイ動画はインターネッツにある。製作陣曰く、エミュレータでやればいいんじゃない?
不親切かつ難解で、ぶっちゃけ「なんやこれ…」って感じだけど、 実験的にも内容的にも非常に素晴らしい作品だと、俺は、感じた。 完璧。天才。優勝。
アニメの方はゲームよりは多少…? 若干…? 分かりやすい(姉がモデムになったりするけど)ので、併せてどうぞ。ぜひどうぞ。
プレゼント・デイ■
プレゼント・タイム■
余談1: オンラインクイズ大会、このコラムのシリーズの連載数は?という問題が出て「もろたで工藤!」ってなったけど、普通に間違えたよね。さんすうができないのが露呈した形だ。
余談2: 今週のレコメンコーナー、もはや本編なのでは?本編でした。
余談3: そういうわけで、「さよ教」を履修するにはまだ早いっぽい。でも、製作会社がクラフトワークなので、ハマれば今回のレコメンコーナーが一周して完璧だった。絶対しないけど。