こんにちは、Per井筒です
最近弊団内でとあるキーワードがトレンドになっています。
そう、マンドリンです。
ことの発端は弊団公式Twitterの中の人の一人、Tb松田氏がTwitter上でマンドリンオーケストラ・アデューの方と交流し、リアルに飲みに行ったことから「マンドリン…マンドリンって、何?」とマンドリンに対する興味が高まって(いると勝手に思って)います。
これは中学時代ギターマンドリン部に所属していた俺がブログ書くっきゃねえと荒ぶる自己顕示欲と貧困かつ脆弱なアイデンティティに突き動かされるままスマホを執った次第です。
しかし実際俺がマンドリンを弾いていたのは中学生の時だけで、またアデューマンドリンオーケストラの方々のようにマンドリンに関して詳しいわけでもないので、適宜Google先生の知識を借りながら記事を書いていこうと思います。ググった方が早いブログ記事、よろしくお願いします。
・マンドリンとは ~その発祥と歴史~
マンドリンの源流を探ると、古代ペルシャのバルバット(barbat)に行き着く。アラビアでこれがウード(oud)となり、シルクロードを西に伝わり、ルネッサンス期からバロック期にかけて人気のあったリュートが派生した。一方、東に向かったバルバットは中国で琵琶となり、日本で雅楽に使われる楽琵琶をはじめ、平家琵琶、薩摩琵琶などになった。マンドリンはリュートから派生したマンドリーノとも呼ばれるマンドラが起源であり、1620年にイタリア・ヴェネツィアのパロッキ(Parocchia)によって考案された小型版がマンドリンと呼ばれている。ヴァイオリン製作者で有名なストラディバリウスも当初マンドリンを製作していた。
マンドリンアンサンブルウォールテンペリーレン(https://wohltemperieren.jimdo.com/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E9%9F%B3%E6%A5%BD/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%90%88%E5%A5%8F/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2)より引用
マンドリンの発祥がイタリアであることは知っていたが、更にその発祥を紐解くと弦楽器の祖先とも言えるような存在にまでたどり着くとは思わなかった。バイオリンやギター等と肩を並べるくらい歴史ある楽器だったんですね、もっと評価されるべき。
17世紀初頭にほぼ現在の形を確立したマンドリンはその後間もなくクラシック音楽に用いられ、ヴィヴァルディによる「マンドリン協奏曲 ハ長調」「2つのマンドリンの為の協奏曲 ト長調」「協奏曲 ハ長調」が最初のマンドリン協奏曲とされている。18世紀にはオペラに用いられることでマンドリンはパリの貴族階級の間で流行。19世紀になると作曲家・演奏家として活躍したカムロ・ムニエル(練習曲の名前にもなっている)やマルゲリータ王妃らの援助を受けて、マンドリンはイタリアのみならずドイツやフランス、アメリカなどで発展を遂げていった。すげぇなマンドリン。もう来年の大河ドラマこれにしようぜ。
・マンドリンオーケストラに登場する楽器たち
プリラジでも紹介させていたけれど、折角のブログなので各楽器の画像も交えてマンドリンオーケストラを構成する楽器を紹介しましょう。
これがマンドリン。オーケストラの華。マンドリンオーケストラに用いられる弦楽器はこのマンドリン含め5種類なのだが、マンドリンオーケストラは少なくとも6人以上の人員で構成される。というのもマンドリンには1stと2ndの2パート用意されていることがほとんどであり、1stが主旋律を担当するのに対し2ndは1stのハモリだったり1stと共に和音を形成したり1stの裏で細かいリズムを刻んだりしている。吹奏楽で例えたら1stがトランペット、2ndがクラリネットやフルートってところか。
ハイ、このこれ見よがしにマンドリン弾いてる人が俺なんですが、この写真で俺が持ってるのマンドリンじゃなくてバンジョーじゃね?と思われる方も多いでしょう。しかしこれ、れっきとしたマンドリンなんです。実はこれフラットマンドリンと呼ばれるマンドリンの亜種のようなもの。最初に説明したマンドリンがクラシックマンドリンと呼ばれ名前の通りクラシック音楽に用いられるのに対し、このフラットマンドリンはカントリー等のポップス音楽に用いられる。
上の画像の大きい方ががマンドラ。マンドリンより一回り大きい。中音域を担当。人間の声域に相当する音域を持ち、伴奏だけでなく裏メロや主旋律を担当することもある(下記のマンドセロもそうなのだが)。吹奏楽に例えるならテナーサックスといったところだろう。
3つの楽器で一番大きいものがマンドセロ。セロとも呼ばれる。マンドラよりもさらに大きい。中音域から低音域を担当。マンドリンと同じくフラットタイプが存在し、フラットタイプは主にアメリカのオーケストラで用いられているらしい。吹奏楽で言うならユーフォニアムだろう。
これがギター。プリラジ聞くまで知らなかったけど、まさかコイツがリズムを司っていたとは。しかしポップスやロックでもバッキングギターというコードを一定のリズムで弾いているパートがあることを考えればそこまで不思議でもないのかもしれない。音域としては中音域なので、吹奏楽で言うならトロンボーンかな。
そしてこれがご存知コントラバス。低音域を担当。比較的長時間低音を響かせるためにオーケストラで唯一弓で弦を弾くアルコ奏法と、短く低音を響かせるピッツィカート奏法で演奏する。吹奏楽でもお馴染みなのでわざわざ例えることもないだろうが、強いて言うならチューバが該当するだろう。
賢明な読者の皆様ならやけにマンドリンだけ内容が多いことにお気づきだろうが、これは筆者がかつてマンドリン担当だったためマンドリンのことしかよく知らないためである。詳しくはググってくれ。
因みにマンドセロよりも大きいマンドローネと呼ばれるコントラバス並みに大きい撥弦楽器(ピック等で弦を弾いて演奏する楽器)がある。これについては是非各自で調べてもらいたい。とにかくデカいし、コントラバス並みに太い弦をどうやって弾いているのかさえわからない。ご確認あれ。
・日本の音楽におけるマンドリン
先の歴史の話にも関連するが、マンドリンが初めて日本に登場したのはなんと明治維新の頃であり、1894年の「義勇奉公報国音楽会」にて四竈(しかま)訥治(とつじ)(1854-1928)による演奏が日本での最初のマンドリン演奏だそう。ちょっと調べただけでものすごくワクワクするなオイ。さっきは冗談で大河ドラマとか言ったけどマジで大河できるんじゃね?頼むNHK。
最近ではセブンイレブンのCM で流れているデイ・ドリーム・ビリーバー/ザ・タイマーズや車輪の唄/BUMP OF CHICKEN等でマンドリンが使われている。マンドリンと接する機会は意外と身近な所にあるのである。
いかがだったろうか。拙筆ではあっただろうが少しでもマンドリンに興味が持てれば幸いである。
「そんなこと言ってもやっぱり実際に演奏している所を見ないとなあ」というライブ感史上主義の皆様に朗報だ。
なんと今週末の10月4日(日)にマンドリンオーケストラ・アデューの定期演奏会が開催されます。整理券が必要ですが入場は無料なので皆様是非お越しください!整理券が欲しい方は井筒までご一報を!それでは。
以下詳細
マンドリンオーケストラ“アデュー”第29回定期演奏会
日時:2020年10月4日(日)14時開演(13時開場)
場所:神戸市立灘区民ホール(マリーホール)
入場無料(入場には整理券が必要です)
演目:エグモント序曲(ベートーヴェン)
序曲ニ短調(ファルボ)
黄昏前奏曲(ベルッティ)
田園写景(ファルボ)
他