ドラマーとしてやりたいことを
リバーダンスのドラムを担当すると啖呵を切ってから数ヶ月、年も明けて2022年のライブの練習が始まった…のだが、
正直これといった練習はしてませんでした!
イヤ、あの、過去のライブの音源を聴くとかはしてたんですが、なにぶんドラムセットなんて持ってないし…あとウチ集合住宅だし…ハイ……
また楽器の有無や練習環境以外にも問題があった、ドラムソロである。リバーダンスの序盤と中盤の間にドラムソロがあるのだが、そのフレーズの具体的なイメージができていなかったのだ。やりたいことはあるが、それを全面に押すとリバーダンスに相応しい雰囲気じゃなくなるし、かといって無難なフレーズでまとめてもつまらないし…そんなわけで年が明け、さてどう練習しようかと考えていたところ、とあるアイディアが浮かんだ。
「せや!カップベル使ったろ!」
カップベルと聞くとハンドベルを思い浮かべる人も多いだろうが、ここでいうカップベルとはいわゆるエフェクトシンバルの一種であり、普通のシンバルのようにアクセントとして使うというよりは効果音として使う変則的なシンバルである。
はっきり言ってわざわざ使う必要のないシンバルなのだが、なんでこのシンバルをドラムソロに起用したのかというと
以前のブログでも書かせてもらった通り、私Fear, and Loathing in Las Vegasというバンドを溺愛しており、ことあるごとにライブに足を運んでは狂ったようにはしゃぎ倒しております。そして彼らの曲では割りと頻繁にカップベルを使用しており、「俺もこんな風にカップベルを使ってみたい!」という思いからカップベルを起用することにしました。ドラムソロで使うことにしたのは他に使える場面が無かったこと、またバカスカ使ってはエフェクトシンバルの意味が無くなるのでドラムソロのみで使用することに。そしてカップベルも含めたソロフレーズも決まり、心の中でドヤ顔かましながら練習に臨んだのだが…
「前もそのフレーズやってましたよね?次回からそれ禁止で」
上記の見出しは例のフレーズを決めてから2回目の練習で迎君に言われた一言である。え、禁…止…?マジで…?結構気に入ってたフレーズなのに…?迎君曰く「毎回同じフレーズをやるとメンバーが慣れちゃうから、毎回フレーズ変えて下さい」とのこと。上述のリアクションでもう充分に伝わっているかとは思うが、これを言われた時は結構ショックだった。気に入ってたフレーズだからというのもあるが、フレーズを毎回変えないといけないというプレッシャーも大きかった、フレーズの引き出しなんて全くないのに…。などと凹んでいた矢先、更に追い討ちをかけるような一言が。
「それシャッフルじゃないじゃん」
リバーダンスは終盤12/8拍子になりそこでシャッフルビートというハネたリズムになるのだが、そこでそのハネたリズム感を出すのがドラムの仕事である。にも関わらずドラムソロのことばっかり考えていた俺はそのことが完全に頭からすっぽぬけていたのだ。そんな状態で臨んだ練習、当然満足なシャッフルビートなど叩けるはずもなくテンポキープにのみ集中した結果、ただの4つ打ちになってしまったのだった。見出しはそんな状態の俺に向かって迎君が放った一言である(当然の指摘なのでぐうの音も出なかった)。というわけでドラムソロに加えて新たな課題が増えた俺。さてシャッフルビートをどうしようかと考えていたところ、またもアイディアが浮かんだ。
「せや!ツインペダル使ったろ!」
ツインペダルとはビーターが2つあるペダルであり、右足だけでなく左足でもバスドラムを鳴らすことができる画期的なアイテムである。これさえあれば練習次第でバスドラムで16部音符の連打も可能になるということもあり、先程のYouTube音源のような曲を好む俺は密かにこのツインペダルを購入していた。さてこれまたなんでこんなアイテムを使おうと思ったのかというと、前回と前々回のリバーダンスで俺はドラムセット以外のタイコとしてフロアタムを担当していたのだが、今回は人数の問題で誰もタムを担当していなかったのだ。そんな状況を見て俺はこう思った。
「ツインペダルでバスドラム叩けばフロアタムの代わりにもなるし、シャッフル感も出せるし一石二鳥では…!?」
軽率である。振り返ってみると我ながら軽率としか言い様がないほど軽率である。「バスドラムでフロアタムをカバーしよう」という発想もさることながら、そもそもスティックでシンバルやスネアドラムを叩きながら両足でシャッフルビートを叩く、つまり両手両足をバラバラに動かしながらテンポキープしつつハネたビート感を出すという芸当ができるのか?という問題もある。
というわけで何の根拠もないただの思い付きを早速次回の練習で実行したところ、意外とすんなりできてしまった。え、全然できるじゃん。想定していたようなネガティブな意見もなく「アレ?もしかして悪くない?」と調子に乗った俺はこのアイディアを実行に移すことを決意。フレーズの引き出しも徐々に増え安定感も増してきた、後は充分に練習を積んで本番に備えるのみ…だと思っていた。しかし、本当の困難は本番直前にやってきたのだった。
次回、本番直前と本番当日の様子を書き切って締め括りたいと思います。
※私としては中編を2022年の12月中に投稿するつもりでしたが、12月末にインフルエンザと新型コロナの感染症により完全にダウンしていたため投稿することができませんでした。大変申し訳ございませんでした。