2021 LIVE 所感 – 諦めとぼんやりとした概念 –

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本コラムは団員の中野がきまぐれに金曜日にお送りするコラムです。
内容はすべて個人の見解であり、著者が所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
なお、吹奏楽団のブログではありますが、話題がノンジャンルである点についてはご容赦ください。


新着情報


コラムのコーナー

あんまり深く突き詰めて考えない。
「今日を楽しむ」と考えていけば、何とかやっていけるんじゃないかな。

やなせたかし

ライブについて

先日、10月9日(土)に、弊団の二年ぶりとなるライブが開催された。

ご来場いただいた皆様、YouTubeでのライブ配信をご視聴いただいた皆様、また、応援いただいた皆様に、この場をお借りして改めて御礼申し上げます。ライブ配信については問題もありましたが、きちんと動画としてアップロードされる予定ですので、そちらをご覧いただけますと幸いです。

さて、団としてのまっとうな感想は新着情報にて取り上げた迎さんの記事にて触れられているので、個人的な感想を書こうと思う。

今回のライブの個人的感想だが、『ニューシネマパラダイス~愛のテーマ』を外して語れまい。今に至るまで、曲の一部のソロで、あるいは指揮者として前に立って演奏するということはしばしばあったにせよ、まるまる一曲、ソロフューチャーで前に立ちっぱなし、というのは初めての経験だった。

本番当日のリハーサルでは特に緊張することなくなかなか上手くいったのだが、本番は緊張のあまり、普段のパフォーマンスの半分すら出せていなかった気がする。鳴りは悪く、音は外れがち・途切れがち。動画では分からないかもしれないが、手足の震えは曲を通して止まらず、頭のてっぺんから爪先まで完全に痺れ、頭は真っ白になり、呼吸は浅くなっていた。あるメンバー曰く、「かわいそうで見てられなかった」とのこと。気づいたら曲が終わっていた。記憶は、あまりない。

とはいえ、後から聴き直すと、なんとか曲としては成立しており、思っていたより酷くはない。惨敗だとおもっていのが大敗だった、くらいの程度ではあるが。譜面がすっ飛ばなかっただけヨシ。しかしまぁ、その後の迎さんソロとかと比較すると、やはりテクニックや場慣れの差が如実に出たなぁ、と思う次第である。

それ以降の曲は、緊張が解けたのか知らないけれど、割とそれなりに上手くいったんじゃないですかね?最後の方はお客さんのこととかまるで考えずに演奏に没頭できたし。気づいたらライブも終わっていた。記憶は、あまりない。

緊張と「ちゃんとやれ」圧力

なぜ緊張するのか?という話であるが、これはもう、余計なことを考えすぎ、というのに尽きる気がする。「期待に応えねば」「すごいとか思われたい、下手な奴だと思われたくない」「ソロは完璧でなくては」「かっこよく見せたい」「心、ふるわせたい」「モテモテになりたい」「お金持ちになりたい」など。兎にも角にも斯様な欲に由来する「ちゃんとやるべき」という『べき』思考に過度に囚われ緊張し、結果として「何もちゃんとできていない」などと思い、つらいお気持ちになる。そして、「次こそはちゃんとやらねば」と考え、余計にドツボにハマる。これはもう、額に入れて飾りたいほどの典型的な負のループである。

どこかで負のループを断ち切らねば、いつまで経っても同じことを繰り返すことであろう。ぱっと見る限り、感情・欲望・思考のどれかを捨てるのが手っ取り早そうだが、どれもちょっと厳しい。ここは「ちゃんとやるべき」に照準を絞ってステップアップしたい。

ちゃんとできていることが、かつてあったか?これまでを振り返ってみれば、仕事、勉学、趣味、恋愛、生活、社会、締め切り、あらゆる点において、もともと「ちゃんとできていること」のことの方が少ないわけであり、今更である。諦めよう。そもそも、あらゆることから逃げ続け、33歳学生、絶賛モラトリアム満喫中の人間がちゃんとしているはずなどないのだ。いよいよもってヤバいな。

after the UTAGE

ワーワー言っている間に2021年のLiveが終了した。終わった後に残るものは「なんか色々しんどかった気がするけど、楽しかった気がするなぁ」というぼんやりとした観念だけである。しかしまぁ、この気持ちも揺蕩う煙のようにいずれ風に吹かれ消えてしまうのだろうなぁ。

ライブの休憩時間のトークコーナーでも話したが、気が付けば30年も音楽をダラダラと続けている。ダラダラ続けていられるのも、このようなライブの後のぼんやりとした「楽しかった気がする」概念の味が好きであるが故である。

「なんか楽しかった気がする」中毒のおれは、そのようにして、次、また次とイベントを挟みつつ、ぼんやりとした「楽しかった」概念を味わい、そして補給しつつ、フワフワと生きていくのかなぁ、と、そんなことを思う、今日この頃である。


今週のリコメンド

佐藤 博

シティポップのブームがちょっと前に来た気がするが、最近はシティポップのワードを見ないので、既に去った気がする。とはいえ、シティポップは比較的摩耗しにくく独特の魅力があるので、やはり良い。

wikipediaによれば、佐藤博は日本のシンガーソングライター、ピアニスト、キーボーディスト、シンセサイザープログラマー、作曲家、編曲家、レコーディング & ミキシング・エンジニア、マスタリング・エンジニア、プロデューサー。肩書多いな。名裏方ミュージシャンである。

バス停でspotifyを使ってディグっていた時に、1982年のオリジナルアルバム、Awakeningがグッと来た。アーバンかつメロウなこの感じよ……



余談1: つってもやっぱりさ、ホルンの大きな魅力ってアンサンブルにあると思うんだよね。一本じゃちょっと面白みが足りないので、やっぱりもっとホルン吹きに来て欲しいわけよ。個人的には特に、足立区出身・神奈川県在住の方に来て欲しいと思うよね。

余談2: 帰省する度に「顔がデカくなった、腹が出ている、ダイエットせよ」と言われ、更に、10年前に買ったスラックスがいよいよもってメチャきつくなってきたので、今日からダイエットをすることにする。経過はこの辺りで報告しようと思います。65.4kg。

余談3: 帰省ついでに、京都の誇る最高のシーシャカフェであるところのmoch pitに行った。極めてダウナーな気分であったので、「さらにダウナーに… パンラズナベースで」とオーダーしたら、パンラズナ+ハニー+アーモンドのミックスが出てきた。すげー良かったのでおススメ。なお、ダウナーな気分の原因としては、天気の悪さと人類の存在でした。

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