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本コラムは団員の中野がほぼ毎週金曜日にお送りするコラムです。
内容はすべて個人の見解であり、著者が所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
なお、吹奏楽団のブログではありますが、吹奏楽の話に限らない点についてはご了承ください。。
新着情報
今週も特に無いです。Twitter担当は以下のように述べています。
コラムのコーナー
先日、ホルンの練習のため、いつものようにバイクに乗って近所の地区センター(音楽室が3時間630円なのでお財布に優しい)へ行った。この日はどうにも調子が悪く、うーん…… どうすりゃもっと上手く吹けるのかね…… とか言いながら早々に練習を切り上げた。
帰り道、見通しの良い片側2車線の道を直進していると、左前方のショッピングビルからクルマが左折で出ようとしているところだった。距離はこの時点で既に25mといったところか。停止し、左右を確認する運転手。絡み合う視線。次の瞬間! おもむろにアクセルを踏み込み、飛び出すプリウス! 急ブレーキをかける俺!ロックするリアタイヤ!響き渡るスキール音! ……幸いスピードを緩めていたので衝突こそしなかったが。鳴りやまない心臓の警鐘。ああいうのあると寝込むよね。仮に判断が遅れ衝突し、アスファルト(人類皆に対して平等である)に落下し、さらに仮に息を引き取ったら、統計的には『不慮の事故』としてカウントされていたわけだ。洒落ならんよマジで。
コロナと同じくらい気を付けるべきこと
先に、『不慮の事故』を挙げたが、死因別の割合について、厚労省のデータを見てみよう。
令和元年(2019年)の死因順位を年齢( 5 歳階級)別にみると、0~4 歳は先天奇形,変形及び染色体異常が第 1 位 となった。5 ~14歳は悪性新生物<腫瘍>、15~39歳は自殺、40~89歳は悪性新生物<腫瘍>、90~94歳は心疾患、95歳 以上は老衰が第 1 位となった。
令和元年(2019)人口動態統計(報告書)|厚生労働省 (mhlw.go.jp) p.25, pp.28-29
この団のブログのアクセスのマス層はだいたい15~39歳だと思うので、そこに絞って考えると、圧倒的に死因は自殺だ。年齢層によって多少は異なるが、自殺が約45%弱を占め、次点で不慮の事故・心疾患と続く。
昨今はCOVID-19がヤバいが、これまでの国内死亡者の累計が14,548人。一方で、2019年の自殺が19,425人、不慮の事故が39,184人で、うち交通事故が4,279人。いずれも全年齢。
もちろん、ここまで感染対策をして、更には医療従事者の皆さんの粉骨砕身の努力をもってしても、単一のウイルスで1万人以上の死者が出ているってのが既にヤバい。しかし、(単に比較すると事を見誤る可能性もあるが、)仮に20歳の俺が注意するべきなのはひょっとしてコロナよりも自殺・事故、次いで自身の循環器なのでは?確かに、諸々に絶望し自殺する未来、交通事故死する未来の方が、よっぽど想像に容易い。生きねば。
安全ってなんなのさ
我々は根本的に安全を求める。安全の確保(あるいは危険からの逃避)というのは、人のみならず数多の生命が持つ本能であり、本能の根幹は生命維持にこそある。窮鼠ですら猫を噛む。刺激としてスリルを求め、それを楽しめるのも一応の安全が確保されているからであり、安全装置の一切が無いジェットコースターには誰も乗りたがらない(はずだ)し、戯れに猫を噛むネズミもいない(はずだ)。
人の欲望は留まることを知らず、常に更なる安心を追い求め、その結果、逆説的に不安を抱き続ける。そういう意味で、真に安全な地帯など無い。人類に安息の地は無い。
じゃあ、安全ってなんなのさ?って話だ。世の中に100%安全というものは存在しえないのは皆さんも承知の通りだ。寝る前にガス栓を締めていたとしても、包丁を持った狂人が刺しに来るかもしれない。戸締りをしっかりしていたとしても、地震が起こるかもしれない。ベッドの周りに落ちてくるようなものを置いていなかったとしても、土地や建物ごと崩落するかもしれない。
では、どこからが安全と言えるのか? そりゃもう、そのあたりの閾値は価値観とかいうフワッとした概念で決めるしかない。あまりにもフワッとしすぎて困る場合には、法律でそのあたりの価値観を、間接民主制の下選ばれた議員さんとか専門家の意見とかで固めて明文化することもある。
考えてみれば、各々の意思決定は予想されるコスト&ベネフィットとリスク許容度でなされ、リスク許容度は大きさ×可能性で決まる、ような気がする。一人を不老不死にさせうるが、失敗可能性は1 * 10^(-5)くらい、仮に失敗すれば宇宙が消滅する、という技術は「さすがにやめとこ……」ってなるだろう。確実に問題が発生するが、無かったら生活が成り立たないし、問題が発生しても別にちょっと面倒なだけ、ってことなら「しゃあなし」だろう。
でもまぁ、我々は、ベネフィットを過大に、コストとリスク許容度は過小に見積もりがちだ。自分に都合のいいことに関しては、特にそうだ。そのことは常に頭の片隅に置いておいてもいいかもしれない。
じゃあ、現実問題として、最近ホットな新型コロナウイルスワクチン(冷たい)や、モータリゼーション社会、空港、原子力発電所あるいは火力発電所ってどのへんなんですかね? これは皆さんの夏休みの宿題にします。
そういえばこの間、知人の杞の国の人が、空が落ちてくるかもしれない、と心配していた。愛で空が落ちてくるかもしれない、こんな世の中じゃ、むべなるかな。絶対安全を謳うコンテンツは、俺の発言と同じくらい信用できない。ひょっとしたら、一旦停止を無視してクルマが飛び出してくるかもしれない、あるいは飛び出してこないかもしれない、と思いながら運転する今日この頃である。
今週のリコメンド
Seycara Orchestral
カナダの人。ポップでありながらもクラシックなオーケストラスタイル。一部の吹奏楽パーソン(高専出身者に多い)って、こういうの大好きだよね……。俺も好き。
調べても日本語の記事が出てこないシリーズだった。普通に出てきてもおかしくないと思うんだけど。いつもどおり訳しておきました。本業でもACMとかIEEEとかに投稿してるスゲェ研究者だった。
Seycara Orchestralの音楽を例えて、 「カタルシス」、「快活」、「熱烈」などの言葉がよく使われます。
Yuang Chen (Seycara Orchestral)は、ポピュラーなオーケストラ音楽の世界で最もエキサイティングな新進気鋭の一人です。彼は、クラシック音楽を下敷きにした作曲家、ピアニスト兼トランペッターで、カナダのキングストンにあるクイーンズ大学の音楽科を卒業しています。彼の音楽は、キャッチーなポップスタイルの曲と豪華でみずみずしいオーケストラスコアの”ジャンバラヤ”を簡単に楽しめるというのが最も正確な表現であり、他では見られない愛らしいオリジナルスタイルで提供されています。
クラシックとポップスの融合を天職とした彼は、Gryffin や Carly Rae Jepson などのアーティストとコラボレーションし、彼らのヒット曲をオーケストラで再構築しました。コンサートの世界では、キングストン交響楽団やエトビコーク・フィルハーモニック・オーケストラなどで演奏されています。
“本業”では、彼はトロント大学で学ぶ医学生3年生で、救急医療の専門家を目指しています。2018年からは、トロント大学医学部の「Daffydil」の音楽監督/作曲家を務めています。この作品は、医学生やスタッフが出演するオリジナルのチャリティ・ミュージカル作品で、収益はすべてカナダがん協会に寄付されます。
Spotifyのプロフィールより(意訳:DeepL先生と中野)
余談1: うちのボスが、ぎっくり腰になって伏せているらしい。みんなも気を付けような。
余談2: そういうわけで、明日、ワクワクチンチンを打ってくるよ。万が一、俺にもしものことがあったら、誰かよろしくね。HDDは電子レンジにかけてくれ。
余談3: こっそりすみっこでやるシャグレビュー。BiBoはやっぱり美味いとか、Flandria Blackは黒たばこ好きならおススメとか、Domingoのハーフスワレはさりとて取り上げるほどの特徴が無いとか、色々書きたいことはある。でも、試しに使ったRAWのコットンフィルターがあまりにも酷かったので、今回は吸い口のフィルターの話だ。RAWはオーガニックヘンプペーパー(巻紙)が優秀でいつも使っており、RAWのことは評価していた……。 先日、普段使いのPUREのレギュラーショートフィルターが切れたため、RAWコットンフィルターに切り替えてみた。無農薬栽培のコットン使用で土壌に優しく、最終的に土に還り、環境にも優しい…… グッドチョイス。さて、フィルターでそんなに味が変わる?とか思うじゃん。全然違うのよ。まず、口当たりがモフッとしており、好みではない。酒器と同様、口当たりというのは予想以上に他の感覚に影響する。しかも、このフィルター、ドローがすこぶる悪い。さしずめ、子供用の柔らかく厚いシリコンのコップ(こぼさないように飲み口の穴付き)でビールを飲むような感じだ。決定的なのが、煙草の美味しい部分をことごとくフィルタリングしているところだ。乾燥しきって辛く単調、タールの重い銘柄を吸うならこのフィルターもありかもしれないが、そんなん吸うくらいならニコチンパッチを貼ってた方が幾分ましだ。そもそも土に還るってアピールポイントも、ポイ捨て(ダメ、ゼッタイ。)前提である。そういうわけで、早々に押入れの奥にしまい込んだ次第である。