合宿ハードマン あるいは(耳栓がもたらす予期せぬ効能)

はじめましての方ははじめまして

久しぶりの方はお久しぶりです

どっちつかずの方は御機嫌よう

吹奏楽をやったり音楽イベントをやったりカレーを作ったりアラスカにいったりラジオをやったり、それらがウケたりウケなかったりしております、パーカッションのいさなです。

先日、本番前の合宿を終えてきました。第6期から参加している僕には4回目の合宿、毎度のことながら合奏にパー練に宴会、はたまたラグビー観戦と、ハードかつ濃厚な三日間を過ごし、蓄積した疲労は肉体の限界をゆうに超え、さながらジョンマクレーン刑事のごとく満身創痍で御座います。秋も深まってきた今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて、三日間の合宿を通して満身創痍とはいうものの、その詳細を見ていくとさまざまな症状があります。運搬による腕の疲労、寝不足による脳の疲労、演奏による身体の疲労、飲酒による肝臓の疲労といったところが代表的なものでしょうか?中には喋り疲れた、はしゃぎ疲れたなんていうメンバーもいるかもしれませんが、多くの方が気がついていないポイントがあります。それはズバリ、耳の疲労です。

この聴覚の疲労というやつはなかなか自覚することが難しい反面、存外バカに出来ないシロモノですので、今回は人間の聴覚についての解説と、僕の愛用している音楽用耳栓についてご紹介いたします。

人間の聴覚のしくみ

ざっくり説明すると、耳の構成は三段階になっています。一番外側にあるのが音を集める役割を担う“外耳”二番目が集めた音を増幅させる“中耳”そして一番奥にあるのがキャッチした音を電気信号へ変換して脳へ伝える“内耳”です。

※Wikipedia から拝借しました

ここで重要なのは、“内耳”の中にあり、音を電気信号に変換してくれる“有毛細胞”は消耗品であるということです。耳を使えば使った分だけ有毛細胞は失われていき周波数の高い音から徐々に聞こえが悪くなっていきます。歳を重ねると耳が遠くなるのはこういうメカニズムなのですが、有毛細胞は自然治癒しないため悪くなった聞こえが元に戻ることはありません。

せっかく好きな音楽を楽しんでいるのに、それで耳を悪くしてしまっては元も子も無いですよね。

そこで登場するのが音楽用の耳栓です。

音楽用の耳栓とは

※マイ耳栓のearpiece

近年サカナクション、キュウソネコカミ、打首獄門同好会など、ライブの物販で音楽用耳栓を販売したり、無料貸し出しをするバンドが増えてきました。音楽用の耳栓というのはそのものズバリ「音を楽しむため」のものであり、「音を遮断するため」に使用する一般的な耳栓とは全く別のものと考えて頂いてよいと思います。音楽用の耳栓には二つの特徴があります。

① 音量をセーブする

音の大きさを示す単位に“デシベル”というものがあります。当然音量が大きければ大きいほど、聴覚に与える影響は大きくなります。この、耳にとって大きすぎる音量を抑えてくれるのが音楽用耳栓の一つ目の特徴です。

② 音域をセーブする

人間の耳は高い音から順番に聞こえなくなっていくという仕様です。言い換えれば、周波数の高い音ほど耳に与える影響が大きいというこです。そこで音楽用耳栓は高い周波数をより軽減し、中低域は残すように作られています。

参考

耳を守るだけじゃなかった予期せぬ効能

音楽用の耳栓を使う目的は“聴覚の保護”ですが、その恩恵は思いのほか大きいです。上述した耳栓の持つ特徴により、演奏者にとって嬉しい副産物的な効果が得られたので、紹介しておこうと思います。

集中力が持つ

耳の疲労が軽減されたことによって合宿などの長時間の練習でも最後まで集中していられるようになりました。

芯のある音・ない音を区別できる

例えばすごく小さな音量で演奏しようとして、芯のないショボい音になってしまうことってありますよね?芯のある音・ない音を物理的にどんな違いがあるのか説明することができないので感覚論になってしまいますが、芯のある音ない音問題は小さい音に限った話ではありません。頑張って音を出してもアンサンブルの中でどうしても埋もれてしまう音というのはあります。耳栓を使うと、芯のある音が良く聞こえ、芯のない音はより聞こえにくくなるので、自分の出した音が芯のある音なのか、芯のない音なのか、区別しやすくなりました。

自分の音にビビらなくて済む

演奏していて、必要以上に小さい音量になってしまうシチュエーションがありますが、これは自分で自分の出す音に驚いてしまうからだと僕は考えています。耳栓をしていると音量が低減されるのでそういったことが減りました。(パーカッションの例だと、静かなバラードの最中にトライアングルを鳴らす時とか)

聴覚をフォーカスできる

例えば、金管がバリバリ吹いてる所で木管の連符をしっかり聞き取ったり、リズム隊の動きを聞き取るのは難しいです(耳のいい人や指揮者は出来るかもしれないけど僕には無理)(打楽器の位置関係の問題でもあるとは思いますが)。耳栓によって一定以上の音量が制限されていると、“聞く音”と“聞かない音”を意識的に選択しやすいです。

おすすめ耳栓

実は音楽用の耳栓って結構種類が豊富なので、いくつか紹介します。スペックとか用途もいろいろあるのですが、耳への押し込み具合でもフィルターのかかり方を調整できるので取り敢えず買ってみていろんな現場で使ってみましょう。

https://www.amazon.co.jp/CRESCENDO-耳栓-ライブ用-イヤープロテクター-Music/dp/B00IYJ8VOG?ref_=ast_sto_

王道中の王道。リスニング用のモデルなのでライブ鑑賞はもちろん、低減音圧19dBと比較的フィルターが優しめなので耳栓で音がカットされすぎるのもなぁって思う演奏者の方も使いやすいです。

https://www.amazon.co.jp/CRESCENDO-耳栓-ボーカル用-イヤープロテクター-Vocals/dp/B00IYJ8XJ4?ref_=ast_sto_dp

ボーカル用って事になってますが、要するにボーカルの帯域はカットされ過ぎないようになっている耳栓です。あるギタリストがギター用の耳栓を使った所、演奏しにくくなってしまったので試しにボーカル用に変えてみたら演奏性が改善し、実は自分のギターの音よりもボーカルの音を聞いて演奏していたことに気がついたというエピソードは耳栓界では非常に有名。演奏中に自分の聴覚が何にフォーカスしているのかというのは本人でもわからないものです。

耳栓ライブ用 EarPeace HD 3種の遮音性能/イアーピースHD ライブ用 交換フィルター付 … (シングル, 赤ケース/クリアプラグ) https://www.amazon.co.jp/dp/B076VTXWBP/ref=cm_sw_r_cp_api_i_1f9PDbWGSCM96

僕が使ってるやつのワンランク上のモデル(同じモデルはアマゾンで見つからなかった)です。このメーカーはフィルターのかかり方が自然で耳栓してる感じが薄くて使いやすいのがいいです(気のせいかもしらん)。ケースが赤色だとカバンの中で探しやすいというのもメリット。

まとめ

音楽用耳栓を紹介しました。音楽好きはどうしても音に触れている時間が長くなり、将来的な難聴のリスクが高くなります。大好きな音楽に触れれば触れるほど、大好きな音楽に触れることができなくなってしまうのは悲しいジレンマ、ぜひ聴覚を保護して末永く音楽を楽しんでいきたいですね。そして、聴覚を保護することによって思わぬ恩恵もありました。こちらはあくまで個人的な使用感に基づく体験談なので、ぜひ一度自分の耳で確かめてみてください。高い買い物じゃないですし、常に持ち歩いてちょっと音が気になったら使ってみるとかもありだと思います。ではまた

■ THE LIVE 2019 -Go To Eleven

  • 2019.10.19(Sat)Open 13:00 Start 13:30
  • @伊丹アイフォニックホール(LINK
  • 〒664-0895 兵庫県伊丹市宮ノ前1-3-30
  • 入場無料

■ 団員募集中

吹奏楽団インプリメーレでは、ともに音楽を創っていくメンバーを募集中です。

「目標に向かって成長したり、最高の音楽を表現したい!」

あなたの「目標」「最高の音楽」が何かは問いません。
みんなの心に残る演奏がしたい、技術的に上手くなりたい ─── 。なんでも良いんです。

音楽に対する熱意を持つ方ならウェルカムです。

詳細な団員募集については以下をご覧ください。

団員募集の詳細はこちら 

シェア: