先日、radikoの有料会員に再登録した。radikoはラジオ番組が聞けるネットサービスだ。有料会員になれば全国津々浦々の番組を聞けるし、聞き逃し番組も後から聞けるぞ。なお、バッファの関係上、緊急速報には遅延が発生します。ご了承ください。
一人暮らし、車の運転も一人で長距離が多く、ペットもいないとなると、人の声が聞きたくて仕方なくなる時がある。涙が出ちゃう。女の子だもん。そういうとき、俺はラジオを聞く。
ラジオは良い。何が良いって聞き流しができることだ。テレビや動画だと注視しないといけないので、こうはいかない。ラジオなら聞きながら洗い物とか料理とかできる。賢明な読者の皆様におかれましてはクルマの運転中に何か映像を見るということは無いだろうが、脇見の原因となり、渋滞が発生し、事故が発生し、そしていずれ人は死ぬ… だからラジオを聞こう。
最近は指揮者の迎さんが弊団体のウェブラジオを始めた。トーク力が炸裂しており、面白い。今後もどんどん更新されていくであろうので、ぜひ聞いてみてください。ついでにチャンネル登録もポチッとお願いします。
さて、そんなラジオである。今回はオススメのラジオ番組を2つ(余談含めると5つ)紹介していきたいと思う。なお、迎さんのオススメはオールナイトニッポンだそうだ。
GROOVE LINE
クルマ好きのピストン西沢さんが送る、J-WAVE随一のしょうもない番組だ。月曜日から木曜日夕方16時30分〜19時放送中。番組サイトはこちら。
かつて大学院修士課程の3回生という、しかも他の大学の研究室に非公式で居候という孤高で手のつけられない阿呆であった頃、昼過ぎに研究室に行き、夕方になるとGROOVE LINE Zを聞き、夜分遅くまで研究をしていた。
何が素晴らしいかって、適当っぷりがたまらない。毎日ネットでどうでも良さそうなニュースを語りながら、その場しのぎ的で時間が流れている。ハガキ職人が大喜利をやっている。ゲストが割と豪華だ。ナマでDJプレイをやっている。
ゲラゲラ笑えるラジオ番組は良い。適当に生きていこうという気になるしリラックスできる。ユーモアは張り詰めた生活の良い弛緩剤であり、乾いた人生に降る雪だ。
子ども科学電話相談
NHK FMで日曜日の10時〜12時くらいに放送。毎回2テーマ程度、その道の専門家(教授とか主任研究員とか)を呼んできて、子どもたちと直接電話を繋いで科学に関する疑問・質問に答えていく番組だ。テーマは科学全般・恐竜・鳥・虫・天文宇宙・水の中の生き物・植物・ロボットなど様々。以前は夏休みと冬休み期間だけの企画であったが、この春からレギュラー番組になった。やったぜ。番組サイトはこちら。
子どもの質問というのはすごい。「恐竜になりたいんだけどどうしたらいい?」「宇宙人はいる?」といった微笑ましいものから、「鳥の強膜輪ってなんのためにあるの?」「古生物学会ってどんな話するの?」というガチ勢まで様々だ。
子どもの疑問といって侮るなかれ。確かに言われてみたら分からん、という事ばかりだ。おともだちと先生の会話の内容が専門用語だらけでサッパリ、ということも多々。これは論文査読中なのでノーコメントとか、実はまだ分かっていないとか、そういう回答もあったりする。
先生も濃い。恐竜の小林先生と鳥の川上先生が特に濃い。「鳥は恐竜」「違う、恐竜は鳥だ」と、番組中にやり合っている。他にもワンワンの声にしか聞こえない先生や、なんでなんやろなぁ…仕方ないんやなぁ…という先生、専門用語をリピートアフターミーする先生など、どろり濃厚ピーチ味だ。
この番組を聞いていると、世の中は分からない事ばかりだと再認識できる。未知の世界への憧れ、科学への情熱が再び燃え上がる。未知の知という言葉で殴られる気分だ。サンキューソクラテス、サンキューNHK。
放送事故では?という事もままあるが、それも生放送ならではの魅力。それも含めて、是非聞いてみてください。こちらはNHKラジオの『らじる☆らじる』で、聞き逃しも含めてフリーで聞ける。
蛇足|Suntory Saturday Waiting Bar
かつて土曜日の夕方17時から、TOKYO FMをキーステーションにJFN系列でSuntory Saturday Waiting Bar AVANTIという番組を放送していた。東京のとあるイタリアンレストラン「”AVANTI”(アヴァンティ)」のウェイティングバーで繰り広げられる客同士の会話を常連客(番組の進行役)の紳士と一緒に聞き耳を立てる…という体裁だ。
テーマは毎回違い、一テーマに対して色々な角度からスポットライトを当てる。例を挙げれば、アメリカンフットボール(ルールから始まりチアやコマーシャル等)、007(俳優、ボンドカー、英国の歴史等)、龍(どうやら干支の龍はワニらしい、絵の変遷等)、シンガポール(ビジネス、ホテル、観光等)… まさに文化のバーリトゥード。過去回の一部のトークを今でもこちらのポッドキャストで聞けるぞ。
非常に文化的で素晴らしい番組であったが、今はもうない。悲しいことだ。だが、雰囲気はともかく、番組の形態は後継番組の『ピートのふしぎなガレージ』に引き継がれているぞ。
結言|ラジオの魅力
ラジオの魅力は多い。聞き流しができることに加え、ローカル感というのがある。コミュニティ放送の地元密着感、ローカルな話題に事欠かないのも良い。たまに地方へ行ってそのラジオを聞くと、あまりの理解出来なさに笑ってしまう。
また、新しい音楽に出会えるのも魅力だ。以前、音楽配信サービスのコラムを書いたときにも触れたが、これらサービスを使っていると聴く音楽がどんどんパーソナライズされ、AORとコンテンポラリージャズとヒップホップしか流れねぇ、という状況になる。そういう意味で、新しい風を吹き込んでくれて、最新のシーンを伝えてくれるラジオというメディアは貴重だ。
そして、素人が参加できる番組が多いのも魅力的だ。メールが読まれたりするのでリスナーとの距離が近い。テレビ番組ではすっかり素人参加型の番組を見なくなり、気付けば芸人のトークと番宣ばかりになった。そしてワイドショー。差し障りの無いコメント。あとテレビショッピング。それを思えばラジオの距離感は良い。
そういうわけで、ラジオは良いぞ。たまには耳を傾けてはどうだろうか。
ワーワー言うとります。お時間です。さようなら!
【次回】酒とバラの日々
中野(30代・男性・Hr.・大きなおともだち)
参考書籍
余談1: 日曜17時〜18時、滝川クリステルさんがJ-WAVEでナビゲートしている『サウジサウダージ』も良い。ブラジル音楽にフォーカスしており、極上の時間が流れる。コレがまた、滝川さんの声が良いんだ。
余談2: NHKラジオ第2で日曜19時から放送している『文化講演会』も面白い。普通に為になる。子ども科学電話相談がおともだちの為の番組だとしたら、こちらは紳士淑女のための番組だ。 毎週土曜の午前6時にも再放送しているぞ。
余談3: ポッドキャストだと『佐藤大のプラマイゼロ』が非常に面白い。佐藤大さんは『カウボーイビバップ』『攻殻機動隊 S.A.C.』『エウレカセブン』などで知られるアニメ脚本家。クラブ専門マガジンfloorの記事のポッドキャスト版である。音楽誌であるが、音楽の話はほとんどしていない。映画、ドラマ、アニメ、駅伝、団地、ダム、懐かしの飲み物、ナノブロック… オタク度相当高めの番組だ。このコラムの精神的指針でもある。いつでもネットでアーカイブを含めて聞けるので是非。
>>迎さん
ブログ投稿のハードル上げてすまん。笑って許して。