第9回定期演奏会「繙」全曲ライナーノーツ

こんばんは、指揮の迎です。

無事、定期演奏会が終了しました。

ご来場いただいたお客様、会場には来れなかったけど気にかけて下さっていた方、ありがとうございました。

最高の時間を過ごすことができました。

アンケートも全て読ませていただいてます。

愛ある叱咤激励の言葉、大変ありがたく頂戴しております。

 

さて、ここでは指揮者目線で書く今回のセットリストの全曲ライナーノーツを綴っていきたいと思います。

随分と団員贔屓なところが多いですが、仕方ありません。

課題はありますが、みんな素晴らしい演奏をしてくれました!

それでは、参りましょう。

 

M1 Fun,Fun,Fantastico!

オープニングに相応しい非常に華やかな楽曲です。

作曲は僕ら世代にはNHK教育テレビ「クインテット」でおなじみ宮川アキラさん。

祝典曲でありながらも、ドラムを使っていたりいたるところにポップス的な打ち込みやフレーズが散りばめられたインプリらしい曲だと思って選曲しました。

ちなみにドラムの加藤さん、ずーーーいぶんとこの曲練習されたようでどこかのタイミングでびっくりするくらい上達されててとても嬉しかったのを覚えてます!

 

M2 God Save The Queen

まずは、日本の吹奏楽の歴史を繙いていきましょう。

時は1869年(明治2年)、薩摩藩のとある藩士が当時横浜に駐屯していたイギリス海軍の視察に行った際、軍楽隊の演奏に感銘を受け、国へ戻った際に藩士を選抜して薩摩バンド(薩摩藩軍楽隊)を結成したのが日本の吹奏楽の始まりです。

その時に初めて演奏した曲が、この「God Save The Queen」だと言われています。

当時、薩摩藩を指導していたのがイギリス海軍の軍楽隊楽長ジョン・ウィリアム・フェントン。

彼が管楽器を教えていた横浜市にある妙香寺には、「日本吹奏楽発祥の地」というプレートがあるそうです。

 

M3 A Weekend In NY

日本で初めて吹奏楽が演奏された年からぐーーーーーっと時代は進み、最新の吹奏楽曲を選びました。

最新の歴史と言えばもちろん、我々インプリメーレの演奏。

記録として残る最新の演奏は第8回定期演奏会の最後に演奏したこの曲です。

吹奏楽のいいところはどんなジャンルでも「それっぽく」演奏が出来ることです。

クラシカルな要素、ジャズの要素が入り混じったまさに週末のニューヨーカーが朝から晩まで音楽を楽しんでいるようなそんな景色が思い浮かぶようです。

僕もジャズマンの端くれとして、メンバーのみんなにジャズの楽しさや奥深さを知ってもらいたくて選曲しましたが随分と上達してくれたと思います。

実は、グレード5(最高難易度)のこの曲。

サラッと吹いているように聞こえてしまうのが今のインプリのすごいところですね!

 

M4 サンチェスの子供たち

<Solo>Fh:迎 諒、A.Sax:大西 遼、Hr:中野 匠

確か、あれは2009年の合同演奏会だったと思います。

本当は僕が吹きたいと思って温めていた曲でしたが、指揮者として選曲してしまうという悲しい過去がありました。

というわけで9年越しの夢が叶ったんです。どうもありがとう!

テーマのメロディーはもちろん、最後のトランペットのハイノートまで、思うがままに演奏できたのはやっぱりバンドの力です。

しっかりした土台があってこそのソロですからね。楽しかったなぁ………

これでちょっとでもトランペットに憧れてくれる人がいたらいいなあ…と思いながら演奏してました。

 

M5 アイナの歌

<Solo>Eup:大山 実菜

今回の目玉曲です。

普段はスポットのあまり当たらないユーフォニウムを大々的にフューチャーしたこの曲。

去年の「祭」のソロで彼女の才能にようやく気付き、彼女の力を見てもらわないで何を見てもらうんだ?ということで選びました。

彼女の魅力はもちろん、ユーフォニウムがいかに素晴らしい楽器かを存分のご堪能いただけたかと思います。

曲作りで一番大事にしていたことは伴奏とメロディーの使い分け。

伴奏に徹するときは、少し暗めのサウンドで。そして自分がメロディーになった時にはぐっと明るいサウンドで演奏。

このメリハリがソリストのすばらしさをより一層引き立ててくれます。

メンバーの皆さん、お見事でした!

 

M6 踊り明かそう

<Solo>Cl:大西 香澄、Tb:小川 美沙紀、Tp:迎 諒

言わずと知れた、ミュージカルの傑作「マイ・フェア・レディ」の代表曲。

誰もがどこかで聴いたことのあるフレーズだったと思います。

チャチャチャ、ディキシー、マーチ、1曲の中で色んなジャンルを詰め込めるのもまた吹奏楽の魅力の一つです。

ディキシーのソロというか、アンサンブルは、ほぼほぼアドリブです。

個人的にはもっと長いことやりたかったんですけど、、、二人ともいいソロを披露してくれました!

 

M7 吹奏楽の為の抒情的「祭」

「景色が見える音楽はいい音楽」、まさにこれです。

日本人の心に必ずある風景「祭」

電飾で光り輝くヤッサに、遠くまで響く太鼓や笛の音…

「祭」では太鼓が主役です。

太鼓がメロディー、旋律が付いているようで実は引き立て役なのが笛。

今年で2回目の演奏になりますが、今回のパーカス陣は見事にメロディーを奏でてくれたと思います。

あんな楽しそうなパーカスの表情を一番近くで見ることが出来て最高に幸せです。

 

M8 Gentle Rain

<Solo>Fl:住友 妙子、中岡 祐貴、佐藤 麻美

インプリの強みはそれはもうたくさんあるんですが、その中の一つに「フルートの強さ」があるんです。

パート紹介では、「かわいい女の子」なんて言われてついつい照れてしまっている中岡さんですが、まあそれは見た目通りのイケメンスーパーフルート奏者なわけですよ。

彼を筆頭に毎回きっちり合奏で合わせてきてくれます。

今回この曲をフルートにお渡しした時にも、特に僕からは何も指示することなく出てきたものをそのまま受け入れた形になりました。

指揮者としては、やっぱりインプリの強みはどんどん皆さんに披露したい。

いいね!って言われたい、メンバーが称賛されるのが一番の喜びです。

なんてったって僕の思惑がばっちりはまってるってことですからね。

インプリの強さ「フルート」、そして「バラード」。そりゃ最強の組み合わせですよね。

 

M9 River Dance

<Solo>Fh:宮永 歩、Tp:迎 諒、Dr:三宅 勇魚、S.Sax:大西 遼

過去に1度、インプリでも演奏されたことのあるこの曲ですが、今回は別バージョンです。

断然、こっちの方がかっこいいんです。そして、今のインプリに合ってる。

そして、どーーーーーーーしても、Gentle RainからRiver Danceは続けて聴いていただきたかったんです。

さわやかな雨の情景から、アイルランドの少し霧がかった風景に変わっていく様を感じてもらいたかった。

また自画自賛ですが、録音聴いてもやっぱりここの流れは鳥肌立つんですよ。

そして、このソロですよ。

フリューゲルの実にピュアなソロに始まり、絶好調な僕のソロ、聴く人の心をつかんで離さないドラム、そして最後の情熱的なサックスソロ。

なんか、人と楽器、場所の全てがマッチしてるような気がしてとても好きなんですよね。

個人的なことを言えば、これもまた吹きたい音を自由自在に吹けてるような感覚でずっとソロが出来ました。

僕とドラム、サックスに関してはそもそも楽譜に無い部分なので完全アドリブなんですけど、回を重ねるごとにみんなが自分のモノにしていくのがとても痺れました。

アドリブとれる奏者がこんなにいる吹奏楽団、なかなかありませんよ!

ま、その筆頭が指揮者の僕なのでアドリブ人口は増えて当然です。これからもどんどん増やしていきますよ!

 

M10 Night Flight

普通の演奏会であればきっと、River Danceで強烈に盛り上げて本編終了。

…だと思いますが、僕らは違います。

上がった心拍数をすっと落ち着けてさわやかな気分で本編を終えたかったんです。

Night…と言うには早い時間帯でしたが、この曲の持つ優雅な風の流れに乗って今日の演奏会を振り返れるような気がして。

開演前アナウンス、二人とも上手だったなあ…とか

谷やん、やっぱいい味出してたなあ…とか

この曲、あの曲、こんなことがあったなあ…とか指揮しながらいろいろと考えてました。

皆さんにとってもそんな時間になっていればよかったんですが。

 

EC1 Gaelforce

<Solo>Fh:宮永 歩

まさかこれが選ばれるとは…。

僕らの予想では、「鷲の舞うところ」「The Chicken」でした。

そう、3位、4位ですよね笑

僕のトランペット聴きたい人結構いるだろう!って想いもあったんですけど…全然でしたね笑

精進します…

 

というわけで1位が3年連続の演奏となるこの曲。

この難曲をメンバーはパッとリクエストされてサラッと吹けてしまうってすごいと思うんですよね。

うちのすごさをまたお見せすることが出来たので、僕としてはこの曲が1位だったのは非常に嬉しい限りです。

 

EC2 リベルタンゴ

<Solo>鍵盤ハーモニカ:丸尾 智志、Fl:佐藤 麻美

団長念願のこの曲。

彼が鍵盤ハーモニカを吹き始めたのはきっと現役のころだったと思います。

当時部室で遊びでずっと吹いてるのがなんともいいんですよ。

そこからマイ鍵盤ハーモニカを購入し、ついにお客さんの前で演奏するまでになるとは…

僕が嬉しかったのは、彼もまたソロでアドリブに挑戦してくれたことです。

合宿で初めてトライしていましたが、その時は全く手も足も出ず。

ただ、そこに挑戦してくれたのがとても嬉しくて。

本番ではばっちり決めてくれましたね。

鍵盤のアドリブって、すごく大変だと思うんです。管楽器奏者としては。

それを見事にやってくれる団長、やっぱすごいわ。

 

 

というわけで、非常に長くなりましたが以上です。

来年は、皆さんに決めて頂いた曲たちをランキング形式で演奏します。

そして、「定期演奏会」の屋号は外し、「THE LIVE」としてこれからのインプリはスタートです。

「秋季/冬季演奏会」「定期演奏会」と来て、この「THE LIVE」。

いわばインプリの第3章スタートですね!

どうぞご期待ください^^

 

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