吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。
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なお、個人の見解であり、所属するいかなる組織の公式見解ではありません。
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大事なおしらせ
以前より告知させていただいているとおり,2020年10月10日(土)に予定されていたThe Live 2020は延期となりました。詳細につきましては、お知らせのページならびにYouTubeの動画をご覧ください。
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コラムのコーナー
バイクの点検にプロの業を見た
先日、点検に出したバイクが帰ってきた。以前にMaker Faireに行ったという話を書いたが、実は会場で筋肉痛にもだえ苦しんでおり、その原因はバイクの不調にあった。
おれの住むアパートと職場は丘の上にあり、谷間を縫うようにして毎日通っている。この谷の底で、もしバイクがエンストしたらどうなるか。狭い割にバスも通るし交通量も多い高低差10メートル以上はあるだろう坂道を、押して上がらねばならない。もはや絶望しかない。そしてその日、エンストして、坂の半分まで差し掛かった段階で体力が限界を迎え、挫折した。押しがけもダメ。
そういうわけで、時間が解決してくれることを祈ってその日は近所の駐輪場に置いてきた。翌日、Maker Faireの帰りに駐輪場に寄り、試行錯誤のうえ強く念じたところ、どうにか息を吹き返した。
とはいえ、問題を放置しているわけにもいくまい。前々から色々なところが気になっていたこともあり、点検に出すことにした。乗っているのはヤマハのルネッサというバイクだ。96年製、今年で24歳になる。
Vツイン、キャブレター、そしてこのデザインが好みのど真ん中を貫いており、他にいろいろ見てみても個人的にこれ以上のものはなかなか見当たらない。ところが発売当時はあまり売れなかったらしく(カラーリングのせいじゃないかな)、2年でラインナップから外れ、現在はほとんど中古車としても出回っていない。さっき調べたら全国で14台だった。スペアパーツもかなり少なくなってきている。
担当してくれたメカニックが百戦錬磨のプロで、ひとまず安心して乗れるように整備してくれたほか、購入当初から気になっていた部分を直してくれたり(購入店舗の整備技術の低さを嘆いていた)、次に手を入れるべきところを指摘してくれたりと、すごく親切丁寧な仕事をしてくれた。
実際に乗ってみると、まるで別のクルマのように快調。 多少の金はかかったが、まさに名医とでもいうべき知識と技術でもって仕事をしてくれた。これがプロの業(ワザ)か、と感動すら覚えた。店を離れる際に、「こういう古いクルマは金がかかって仕方ないし、最近はどんどん新しいクルマに乗り換える人もいるけど、良いエンジンだし大切に乗ってあげてね」と言葉を残してくれた。ほとばしる旧車への愛… いぶし銀… 次もこの人にお願いしようと決めて家に帰った。
海に出た
ゴキゲンで家に帰ってきたその日は、空は澄み渡り、日差しはあたたかだった。絶好のツーリング日和である。これは整備結果を確かめるためにもどこかへ走りにいかねばなるまい。
ヤビツ峠という有名な峠道がある。近畿で言うところの周山街道のポジションだと思う。前の冬に東に来て以来、ろくにツーリングにも行けていなかったので、この際に行ってみようと思った。さっそく道を調べて出発したものの、一向に着く気配がない。気付いたら海に出ていた。どこかで道を間違えたかな?と思ってスマホで調べたら案の定、間違えていた。
せっかくなので海沿いを走っていたら、江の島が見えてきた。サザンかよ。これがあの江の島か。適当にバイクを停めて、ちょっと観光して、ソフトクリームを食べて、家に帰った。山に行くつもりが海にたどり着いたけど、これはこれで悪くない。迷った道が、私の道です。
映画音楽は難しい
The Recに参加して刺激を受けたこともあって、最近はこまめに(といっても週一回程度だが)ホルンの練習をしている。練習した帰り、ぼんやり、「映画音楽ってとてつもなく難しいのでは…?」と思った。
吹奏楽をやっていると、ディズニーやらジブリやらハリウッド映画やら、何かにつけて映画音楽を演奏する。演奏会などではほぼ必ずと言っていいほど映画音楽を聴く。映画音楽に限らず、J-popやドラマの挿入歌といった普段耳にする曲も含めれば、それらが大半になることも多々。これらをお披露目をするとき、お客さんは何を思うのだろうか。
お客さんサイドで考えられるパターンとして、次の4つが考えられる。
- 映画を観た。曲も知っている。
- 映画を観た。曲は知らない。
- 映画は観ていない。曲は知っている。
- 映画は観ていない。曲も知らない。
映画を観たし、曲も知っているパターン。ひょっとするとそれなりにリスキーかもしれない。ストーリーの盛り上がる部分で流れるテーマとかは、ガッと心を掴むし、その印象が残る。後になって曲を聴くと、映画の感動が蘇る。良かれ悪しかれ、演奏した曲が映画のイメージに引っ張られる形になる。みんなが観ていてウケのいい映画なら相乗効果をお手軽に狙えるけれど、映画と雰囲気の違う演奏をすればミスマッチも起こりえる。
映画は観たけど、曲は知らないパターン。『風の谷のナウシカ』(安田成美が歌ったやつ)以外にそんな状況あるか?と思ったけど、曲の印象が薄いとそれに近いものが起こる。いわゆる”メドレー”ものに多い、「こんな曲あったか…?」というアレだ。そういうのは、いかに雰囲気を醸せるかが勝負な気がするなぁ。
映画は観てないけれど、曲は知っているパターン。これは意外と何とかなる気がする。1つ目のパターン(true, true)と比べると、映画のストーリーなどに引っ張られるリスクが少ないし、どこかで聴いた朧げな記憶によるバイアスもかかって、曲の流れとかも掴みやすい。
3つ目のパターン(false, true)に該当する曲が思いのほか多いことに気が付いた。『バックドラフト』を観ていなくても『料理の鉄人』でそのテーマを知っている人は多いし、『アナ雪』を観ていなくても『Let it go』はみんな歌ってたし、『ティファニーで朝食を』を観てなくても『ムーン・リヴァー』はスタンダードだ(なんなら観て無い奴の部屋にオードリーのポスターが貼ってあったりする)。おれもいまだに『アラジン』は観てないけど『ホール・ニュー・ワールド』は死ぬほど演奏した。
そして、映画も曲も知らない、というパターン。『サンチェスの子供たち』とか『いそしぎ』とか?前者に至っては映画観た人いるのか?ってレベルだ。そもそも日本未公開だぞアレ。とにかく、このパターンは真剣勝負だ。お客さんは事前情報ゼロの状態で、曲を聴くことになる。映画音楽は文脈の中で流れるゆえ、盛り上げる効果を意図して作られている(はずだ)。でも、単体ではそれが無い。どういう流れでどう進んでいくのかも分からない。無重力状態でいかにお気持ちを想起させるか、それはもうプレイの質(と編曲)次第である。曲を聴いて感動して、映画が気になって観てくれて、なおさら感動してくれたら、これはもう音楽の完全勝利である。
そういうわけで、映画音楽というのは比較的バイアスかかりがちであると思われる。お客さんはともかく、演奏者がそのバイアスに引っ張られるのが怖い。演奏しながら一人で映画を思い出して感動してたら苦労しねぇよ実際。初めてそれを聴く人で“すら”グッとくる演奏ができるようにやっていかねぇとなぁ、と思う今日この頃です。
今週のリコメンド
MXXWLL
西海岸のヒップホップ、ネオソウル、ジャズをうまいことエレクトロニカでラップ… そんな非常にいい感じの楽曲を出しているのが、オーストラリアはシドニー出身のプロデューサーMXXWLLだ。読み方は分からない。おれは勝手にマクスウェルと呼んでいる。今年出たSheeeshってアルバムが超クールでさ… やっぱり読み方は分からないんだけど。
余談1: サイバーパンク2077がまた延期された。サイバーパンクは2077年になるまで出ないという定説がいよいよ信憑性を帯びてきた…? ゼノン曰くアキレスは亀に追いつけないとのことだったが、まぁ、大丈夫でしょ。もし2077年まで発売が延期になったとしても、米寿を超えたお爺ちゃんがサイバーパンク、それもまたサイバーパンクで良いかもしれん。
余談2: 江の島からの帰りは往路以上に道を間違えた。今度は山へ入っていって、夜になるにつれ周りは暗くなるし、寒くなるしでエライ目にあった。迷った道が、私の道だ? いくらなんでも迷走しすぎではないか? オラこんな道イヤだ。こんな道イヤだ。東京へ出るだ。
余談3: CNN、畳み込み!ニューラルネットワーク!っていうからビビってたけど、よくよく見てみればなんのことはない、いつもの画像処理だった。層の気持ちになって考えれば、おのずと道は開かれん。