毎週金曜日、中野がその場しのぎの文章をお送りするコラム。
Supported by 吹奏楽団インプリメーレ。
吹奏楽団インプリメーレでは団員を大募集中です。詳しくは文末の団員募集のバナーからアクセスください。個人的には、ファゴット・クラリネット・サックス・トランペット・ホルンあたりを急募です。特にホルン。
今週のアップデート情報
鷲が舞うところ / スティーブン・ライニキー
2019ライブのリハーサルから。お客様の来場時に「あなたが今、聞きたい雰囲気の曲は?」というお題目で投票してもらい、用意した4曲の中から投票数が最も多かった1曲だけお送りする『雰囲気リクエスト』のコーナー。ライブ当日はIn a gentle rainをお送りしました。残念ながらお送りできなかった一曲がこの『鷲が舞うところ』。
You Are So Beautiful / インプリチョップス
Lucky Chopsのカバー、連続シリーズの第三弾。
プリラジ!(第25回)
『GM、アメリカ行ってきたってよ』編。丸尾GMが年末にアメリカへ長期出張した際に撮影してきた動画を見ながらみんなで雑談する様子です。アメリカ、ハンバーガーとステーキが美味いので好き。
スケジュールなど
直近の予定は以下の通り。見学等、随時受け付け中。ご興味がありましたら、お気軽にご連絡ください。
- 4月11日(土) 10:00~17:00 練習@寝屋川市立市民文化会館
- 4月18日(土) 10:00~17:00 練習@奈良
- 4月25日(土) 10:00~15:00 関西一“ユルい”演奏会@神戸アートビレッジセンター
- 無観客試合です
わたしは君たちが教育を受けてくれたことに感謝している。合理的になり、物事を知るようになったことで、君たちは自分たちのいるこの世界を、より理性的なものにしてくれた。君たちの卒業は、わたしが今まで聞いてきたニュースの中でトップを争う良いニュースであると伝えてお祝いの言葉としよう。懸命に勉強して、賢く、合理的な、物事をよく知る人間になったことで、君たちはこの小さな惑星、素晴らしく小さな、水をたたえた、青く緑の球体を、君たちが生まれる前よりマシなものにしてくれた。有り難う。そして君たちが自分の心と精神をよりよいものにすることを可能としたものたち、この国の色んな場所から、そして他の国々からやってきた学生仲間に栄えあれ。めでたい。ここで言っておこう。
カート・ヴォネガット
アグネス・スコット大学の卒業式にて
ところで先日、駅前に袴姿の女の子がたくさんいたため、眩しくて失明した。男の子ってのは駄目だって分かってても太陽を肉眼で見つめてしまうものだよな、ボーイ…
どうやら駅前の大学の卒業生らしい。最近の騒ぎで卒業式は中止になったものの、卒業証書・学位記の授与は事務的に行われたとのこと。袴などを着るような趣味を持っていなければ卒業式くらいしか着る機会のないものであるし、前々から予約していたものを取り消すのもアレだし、やっぱり卒業と言えば袴姿なので写真など撮っておきたい…ということでそういう風になっていた恰好だ。
卒業し就職する人も多かろうし、勤め人でも4月から転勤という人もいるだろう。この町では桜も咲き始めた。嗚呼、別れと出会いの季節。いいタイミングだし人付き合いについて書いていこうかと思う。
数はちょっとでいい、でも大切にしよう。
今更、人付き合いの大切さをクドクドと述べる必要は無いかとおもう。体に良し、心によし。俺によし、お前によし、だ。結婚とか出産とか、そういった人生の大きなタームも、見方によっては付き合う人(それも深く)が増えるということに変わりはないだろう。
家族をはじめとして、気の合う友人、偉大なる師、見込みのある後輩。所属する様々なコミュニティの中でいろいろな人に出会うだろう。着想を得たり、新しい知識を得たり、巻き込まれたり巻き込んだり。そうやってあなたができあがっていく。だからそういう人との繋がり、コミュニティは大切にしよう。朱に交われば赤くなる、とも言う。
人との関係というのは思っている以上に切れやすいものだ。特にこういった別れのシーズンでは油断すると一瞬にして人はつながりを失うし、忘れ去ってしまう。それこそ、それは舞い散る桜のように。
会社の新入社員研修で教わることは「ふーんそうなのか」で終わってしまう事柄が多い。そんな研修の中、重役の講演で聞いて今も気に入っている言葉に、『関係性のメンテナンス』というのがある。近くに寄ったついでに顔を出してみたり、たまに飲みに出かけたり、電話でしょうもない雑談をしたり、手紙を書いたり、そういったことだ。おそらく、一緒に音楽をやるとか、親戚づきあいとかもそういうのに含まれるんだろう。重役曰く、「付き合う価値のある人間というのはそんなに多くない。だから付き合う価値があると思った人は本当に大事にすべきだ」。
人は何かを生み出すことに躍起になりがちで、メンテナンスというのはおざなりにされがちである、ということは覚えておいた方がいい。「なんでそんなことが起こってしまうわけ?」という問題はたいてい、機械や人(知識とか体調とか)のメンテナンスがされていないことが発端だったりする。夫婦喧嘩や戦争も、関係性のメンテナンスが不十分なために起こっていると思う。
ダンバー数というものがある。人間が安定な関係を築くことができる人数の上限で、現代だとだいたい150人くらいだそうだ。大事な人から順番に勘定してみてはどうだろうか。多すぎる人はもう少し一人一人を大切にした方がいい。少なすぎる人はコミュニティを作るなり入るなりして増やした方がいいかもしれない。
他人には親切にしよう。
「人は一人では生きていけない」。ご両親や先生はそう言って聞かせてきたことだろう。まぁ、その通りだ。そもそもご両親がいなければこれを読んでいるあなたもいないわけだし、そのご両親も爺さん婆さんが手塩に掛けて育てられていなければ存在しない。もし無から生まれましたという人がいたら教えてほしい。ビッグバンとして崇め奉ろう。今日も、俺はコンビニの店員さんがいなければ昼飯にありつけなかったし、コンビニの店員さんも配達業者の人がいなければ弁当が手に入らないし、その弁当も畜産農業や食品加工工場で働く人々がいなければできない、それが社会ってもんだろう?(俺がいなければこのコラムも無かったわけだ。この記事に価値があるかはともかくとして。)
ダンバー数から考えてみれば、人類みんなと深く付き合う、ということはどうやら難しそうだ。 でも、人に親切にする、ということは心がけ次第で何とかなるかもしれない。困っている人を見かけたら助けてあげるのがよかろう(もちろん余裕があればの話だが)。助けてもらった人は、別の人を助けてあげようという気分になるかもしれないし、それを見ていた少年は未来に希望を持つかもしれない。時折、お店で店員さんに不満をぶつける人を見かけるが、どうも個人的には気に食わない。まわりまわって支えられているという意識が欠けているのでは? そういう人とは可能なら距離を置こう。あんまりにもそういう人達に囲まれていると、気を病んでしまうかもしれない。楚の歌でも聴いて気を紛らわせよう。
とはいえ、許す、ということも大事だ。『目には目を、歯には歯を』ではこの世は地獄だ。ポケットにティッシュを入れたまま洗濯籠に入れてしまったがために夫婦喧嘩が起こり、お互いに謝ったり許すことをせず、そうして報復は報復を呼び、戦争になり、核の炎に包まれ、お札はケツを拭く紙にもならず、種もみを喰らう時代が来て、愛に生きる男たちがあれこれすることになる。だからなんかムカッとしても笑って許せ。「我らに罪をおかす者を、我らがゆるすごとく、我らの罪をもゆるしたまえ 」、だ。
そうやって身の回りの大切な人なり、一期一会の人々(敵も含まれる)なりに対して朗らかに生きていくこと。そうしたことが回り回ってあなたの、そして今を生きる、あるいはこれから生まれてくる生命のためにやっていけることなのではないかなぁ、と思う次第である。
中野(Hr. / 純米酢)
RECOMMEND_01: この部屋に住む人へ / キリンジ
知っている人は知っている、ミュージシャンが好きなミュージシャン、というバンドが以前も紹介したことがあるKIRINJI(キリンジ)。
このシーズンになると、堀米兄弟のデュオ体制の時の『この部屋に住む人へ』が聞きたくなるのでオススメしました。
RECOMMEND_02: これで駄目なら/カート・ヴォネガット
アメリカの卒業式は、有名人を呼んできてスピーチしてもらうというのが結構ある、らしい。ドラマとか映画で見た。『スローターハウス5』で有名なカート・ヴォネガットも卒業式での講演を色々していて、これはそれを寄せ集めた本だ。良いことが結構書いてある。
RECOMMEND_03: Tokyo LosT Tracks -サクラチル-
ここのところ、Chill outというかLo-Fi Beatの波がすごい。やっと波が来たかと思ったらこれだもん。ビビるわ。ソニー・ミュージックレーベルズもオリジナルアニメーションと共にチルアウトミュージックを24/7でライブ配信するLo-Fi Beatsチャンネルをスタートした。それが『Tokyo LosT Tracks -サクラチル-』だ。SpotifyとかYouTubeで聴けるぞ。選択肢が増えるのは良いことだ。それはつまり… 人類が更に自由を手に入れたってことでもある… でもこの感じ、既視感あるんだよなぁ…
余談1: 桜も良いけど、この季節だとモクレンが好きだ。風に運ばれてくる香りがとても素敵だ。
余談2: ロサンゼルス近郊の家賃について現地の人に聞いたところ、微妙な治安 & ちょっと狭めの間取りで$1,500/月~とか言ってた。アメジョも大概にしてほしい。でも、カリフォルニアにはthe Habit Burgur Grillがあるので良い。なお、日本から最寄りの店舗は上海のLCMモールだそうだ。みんな行こう。
余談3: 「鷲の舞うところに対抗して… 儂の舞うところ!見よ!」ロシアのツンドラ地帯に突如現れた全裸中年男性達は寒さも気にせず踊り始めた。ロシア当局はこれをクーデターと認識、Su-47が直ちに出撃し爆撃、秘密裏に処理された。